瀋陽では九一八記念館が厳戒、日本領事館前の道路を封鎖。反日デモ、抗議行動は、日本人を狙った個別テロの色彩を帯びて「日本人立ち入り禁止」から「乗車拒否」などと過激なカルト的行動をとる中国人も散見される。メディアの反日一色が原因だろう。
しかし中国の各地を旅行して、実際に肌で感じることは、メディアが報ずるような「反日ムード」はゼロに近く、庶民は新聞を読まないし、ネット世論は人民日報の基調とは正反対。つまりは共産党が情報操作をしつつ、反日を武器に、深刻な事態のすり替えを狙っていることを智恵のある庶民と知識人は知っている。
つぎの事態は9月18日である。
明日も明後日も各地で散発的な抗議行動、デモが起こりそうだが、大規模な抗日行動が呼びかけられているのは9月18日(918事件から82周年)である。
瀋陽の現場には「九一八博物館」が建立されていて、出鱈目は写真パネルを飾っているが、ひしゃげたデザインの建物の看板は江沢民が揮毫した。
この博物館に筆者が行くのは三回目だが、今回は内部展示はみないで概観の観察をした。やはり公安が随所に立ち、パトカーが常駐、なにごとかを警戒している。
驚いたのは、その横の高架である。新幹線が轟音をたてて走り抜けた。試運転中で、おそらく十月一日国慶節開業ではないか。
瀋陽市内の十四緯路にある日本領事館は道路が封鎖されており、領事館へデモ隊が進入することは物理的に不可能となっていた(いずれも九月十一日の時点)。
杜父魚文庫
10501 「反日」デモのピークは18日か? 宮崎正弘

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