10531 尖閣周辺に集結した中国の海洋監視船10隻の動き  古沢襄

FNN(フジ・ニュース・ネットワーク)で東海大・山田吉彦教授が、尖閣周辺に中国の海洋監視船10隻が送り込んできた背景を解説している。
海洋監視船がまず入って、そして、漁船団が入ったときの動きをコントロールするという準備に入っているという見方を山田教授はとっている。
胡錦濤政権にとって、尖閣諸島周辺の海域に中国の漁船が一〇〇〇隻も入ってきて、日本側と不測の衝突事件に及ぶことは避けたいというのが本音であろう。それこそ江沢民・上海派の思うつぼにはまる。中国国内の暴動事件にも火がつくからである。
いまここで事件がさらにエスカレートすれば、それは秋の共産党大会を控えた胡錦濤政権にとっても望むところではない。
だから日本側も過剰に反応せずに事態の推移を注意深く見守ることが必要であろう。
<尖閣周辺に中国の海洋監視船10隻 東海大・山田教授の解説です。
反日ムードが強まる中、尖閣諸島をめぐる動きも緊迫の度を増しています。中国は、10隻の海洋監視船を送り込んできた。領土問題にくわしい東海大学の山田吉彦教授の解説です。
■尖閣諸島周辺の海域は、とても高い緊張感に包まれている?
まさに今、世界の中でもホットな、熱い対立関係の場所になっています。
■処罰の権限は日本側にある?
処罰の権限ではなくて、領海に入った場合、処罰するという警告をする準備の段階。予防的措置をとる。
■海洋監視船が10隻、接続海域に集結しているのはどういうこと?
まず海洋監視船が事前に入りまして、ここの海域は中国の海域なんだ、中国の船が監視している支配海域なんだということを示しています。
その中に、これから漁船団を入れ込んでいく。事前準備のために監視船が入って、そして、漁船団が入ったときの動きをコントロールするという準備に入っています。
■この監視船がいることによって、漁船たちは領海に入るような行動に移せないという、こういうことになるが?
漁船団を勝手に動かさないと。全て政府がコントロールするということで。まずは漁政が、全ての船の動向を把握しています。
ただこの船の中には、一部異端分子、保釣運動という活動家たちが入っているおそれもありますし、また、抜け駆け的に入っていくおそれもあるので、全てを漁政、監視船、海監という船なんですが、監視をしている。
全て政府がコントロールしながら、この海域を管理するんだ、漁をさせるんだという態勢に入っている。
■過激な行動はさせないというコントロールの姿勢の表れ?
これ、大々的に週末に行われたデモの影響で、行き過ぎた行動は、逆に反政府活動に転じてしまうおそれがありますので、全て政府がコントロールして、漁をさせるという態勢に入っています。
■漁船1,000隻が18日にあわせて尖閣諸島周辺の海域に現れるはずだったが?
1点は、台風の影響で各地からのスタートがそろわなかった。遠いところは、だんだん遅れてくる、五月雨式に現場海域に到着してくるということと、もう1つは、漁業監視船がかなりコントロールしています。
一部、領海に入ろうとした漁船に対して、中国の漁業監視船が警告したということもいわれていますので、かなりコントロールする態勢に入っています。各地の漁船団ごとに、漁政がついておりまして、監督しています。
■中国は、これ以上の状況の悪化を望んでいないというメッセージととらえていい?
現状では、いったんこう着状態にしたいと。これ以上、行き過ぎたことは、抑えていこうという態勢に入っています。
■政府筋によると、万が一、海上警備行動が発令された場合に備え、海上自衛隊の艦隊が東シナ海に一定の距離を置いて展開をしている。また、中国も海軍を一定の距離の近海に展開しているという情報がある。この状況は?
特に日本の自衛隊の場合は情報収集。現状がどうなっているのか、中国海軍の動きがどうなっているのか、情報収集活動を中心に行っています。
中国海軍の方は、不測の事態に備えて遠巻きに見ている。また、米軍の動静というのに、常に中国は着目しています。
■この近海にアメリカ軍が展開しているということだが?
通常の場合では、潜水艦が活動していることも十分考えられます。
今は非常に重要な局面で、むしろ中国側は、日本側による逮捕を恐れています。日本が漁船を逮捕した場合、また反日デモが週末に行われるということを恐れている。
(日本は)今は強気に、しっかり海を守っていくんだという態勢を示す絶好のチャンスだと思います。(フジ・ニュース・ネットワーク)>
杜父魚文庫

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