10538 中国「反日デモ」は静かに変質した  宮崎正弘

18日のデモに夥しき毛沢東の写真は何を意味するか?「不忘国恥」というのは満州事変への切っ掛けとなった柳条湖事件から81周年の記念行事の標語だ。中国では、あの事件は日本軍がしかけたと教えている。
各地の規模壮大なデモは、あらかじめ動員計画が練られた行進だった。各地ではバスがチャーターされ、Tシャツが配給され、横断幕は統一された標語だった。
ネットやツィッターで自然発生的におきたのではない。はじめから動員された「やらせ」であり、想定外のことは若者の失業者等が、途中からデモに加わり暴徒化したことだった。
予想外の狼藉は瀋陽でおきた。
瀋陽の日本領事館への入り口を封鎖していたはずの警備陣が、横道にデモ隊を入れた。およそ千人。この「反日ロボット」らは領事館に石とペットボトルと卵を投げ、領事館を破損した。
成都でも一万人の参加があったが、イトーヨーカ堂への襲撃はなく、平穏に終わった。成都は四川省地震以来の流民の流入で、治安が悪化し、いつも反政府暴動がおきている地域である。
 しかも当日は王立軍裁判が成都で開廷されていた。当局のすり替えがデモへの大動員となったことも考えられる。
異変は動員された参加者いがいのプラカードで、さすがに警察の眼があるためか「自由民主人権」は消えたが、毛沢東の写真、そして手製の横断幕。「毛沢東は人民を思った」「毛沢東時代は平等だった」などと掲げられていた。
これは明らかに反日デモの変質を意味している。つまり「反日」に名を借りての政府批判であり極左勢力が全国で一斉に巻き返しを謀ろうとしたようである。毛沢東の写真を掲げること自体が現政権への暗喩的な批判なのである。
こうした政局に日本の対応はオロオロとするばかりで、昔の武士のような毅然とした姿勢が窺えない状況が、中国側がつけいる余地を残す結果となっている。
杜父魚文庫

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