韓国海軍が、西海北方境界線NLLを侵犯した北朝鮮漁船に対して、警告射撃を加えてから(21日午前11時40分頃)30時間以上が経ったが、北朝鮮は沈黙を守っている。
黄海上で衝突事件があれば、北朝鮮は瞬間湯沸かしのように反発してくるのが常だったから、異例の沈黙にはむしろ不気味さを感じる。
韓国側のいう海上軍事境界線である北方限界線(NLL)を北朝鮮は認めていない。北朝鮮からいわせれば、韓国海軍高速艇の銃撃は違法攻撃になる。テレビやラジオで激しく韓国を非難・攻撃するところである。
何を考えているのか、沈黙がむしろ不気味といえる。
<最近、北朝鮮のワタリガニ漁船が相次いで韓国との海上軍事境界線である北方限界線(NLL)を侵犯している。これは韓国大統領選を控えた状況で、安全保障上の不安感を高め、NLL問題を表面化させるとともに、韓国政府の水害支援に対する不満を表明するためではないかとみられている。また、韓国軍にNLL侵犯漁船を拿捕(だほ)したり、漁船に警告射撃を行ったりするよう仕向け、韓国側に対する武力挑発を行う口実をつくるのが狙いではないかとの分析も聞かれる。
韓国軍当局は、北朝鮮の漁船や北朝鮮軍の動きからみて「意図的な侵犯」の可能性が非常に高いとみている。軍当局は特に、漁船が越境するたびに北朝鮮の海岸砲の砲門が開かれている点に注目している。韓国軍の関係者は「越境のたびに大半の砲門が開かれた」と語った。
北朝鮮漁船は12日に7隻が14回越境したのをはじめ、14日、15日、20日、21日と5回にわたりNLLを侵犯した。北朝鮮の警備艇は先月までは漁船がNLLに近付くのを徹底的に規制したが、最近はNLLを越える漁船にいかなる措置も取っていないという。
北朝鮮漁船はまた、韓国の高速艇が「北側に戻れ」と警告を発してもすぐには戻らず、長時間NLLの南側にとどまり、操業を行っている。過去には韓国側が警告を発すると、北朝鮮漁船はすぐに北に戻っており、状況が全く異なる。このため、韓国軍当局は21日、NLLを侵犯した北朝鮮漁船に2010年11月以来となる警告射撃を行った。(朝鮮日報)
<北朝鮮のカニ漁船が21日午後、西海(ソヘ、黄海)北方限界線(NLL)を越えて操業をし、韓国軍の警告射撃で引き返した。
軍関係者は「北朝鮮の漁船6隻が21日午前11時44分から午後4時まで、順に延坪島(ヨンピョンド)西北側のNLLを0.9-1.3キロほど出入りしながら操業をした」とし「韓国軍の数回にわたる警告通信にも退かず、警告射撃をした後に引き返した」と明らかにした。また「韓国側の高速艇2隻がNLL近隣まで移動し、警告放送をした後、午後3時29分と3時48分の2度にわたり、数百発の20ミリバルカン砲を発射した」と説明した。
北朝鮮漁船の被害はなく、北朝鮮軍はこの日、海岸砲を開放しないなど特異な動向はなかったと、軍は把握している。軍が北朝鮮漁船に警告射撃をしたのは2010年11月以来およそ2年ぶり。軍は最近の北朝鮮漁船の越線に何らかの意図があるとみている。
軍関係者は「北朝鮮漁船は12日(14回)、14日(13回)、15日(8回)、20日(2回)に続き、NLLを0.7-1.3キロ越えてきた」とし「韓国軍の警告通信後にもすぐには引き返さないなど、過去とは違う行動を見せている」と述べた。
軍は先月、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記がこの地域を訪問するなど、挑発につながる可能性もあるという仮定の下、艦艇を増強配備するなど警戒態勢を強めている。(中央日報)>
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