10581 ドイツ経済に景気減速の兆し  古沢襄

ユーロ圏諸国の牽引車だったドイツ経済が、景気減速の兆しも出ているとドイツ連邦銀行(中央銀行)が公表している。英ロイターが伝えている。
牽引車が脱線でもしたら、EU経済は破綻する。単なる経済ニュースとして軽く見過ごすことは出来ない。EU経済が破綻すれば、直接の被害を受けるのは中国経済であろう。すでにバブル経済が破綻の兆しをみせている中国経済は一気に悪化するだろう。
尖閣問題で日本と争うゲームに熱している中国には、その危機が目前に迫っている危機感がない。共産主義国家の限界なのであろう。ソ連経済が破綻し、共産主義を捨てねばならなかったお手本があるのに、軍事力の強化に狂奔している。
軍事力をいくら強化しても、経済の基本である再生産には寄与しない。武器・弾薬という不毛の在庫を増やすだけである。在庫一掃のために戦争をすることなど出来る筈がない。まさか過去の遺物となったマルクス経済学をいまもって信奉しているのではあるまい。
中国経済の破綻を防ぐには、日本経済との提携を強化して共存共栄を図ることでしかない。子供でも分かる理屈なのだが、それが分からないのは、覇権にこだわる共産主義の限界なのであろう。
日本は中国経済の破綻に付き合う義理はない。リスクの分散を図るためにロシア、インド、ミャンマー、東南アジアとの経済提携に一歩踏み出す転換政策を推進する時期に来ている。
<[フランクフルト 24日 ロイター]ドイツ連邦銀行(中央銀行)は24日公表した9月月報で、ドイツ経済が他のユーロ圏諸国の景気減速の影響を受けていると指摘した。
第3・四半期は好調なスタートを切り、上昇トレンドを維持すると予想するものの、減速の兆しも出ているとした。
月報は「景気の先行きには依然、多大な不確実性がある」とし「国内経済はこれまでのところ堅調だが、勢いが衰える兆候が顕著」とした。
雇用の拡大ペースが落ちている労働市場に言及し、企業の採用意欲が減退していると指摘。また、貿易がユーロ圏の今後の動向によって、これまで以上に深刻な打撃を受ける可能性があると述べた。
ドイツのIFO経済研究所が24日発表した9月の独業況指数は5カ月連続で低下し、ドイツ企業がユーロ圏債務危機の打撃を受けていることをあらためて示した。
アナリストの間では、第3・四半期、さらに第4・四半期もマイナス成長になるとの予想が多い。(ロイター)>
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