九月はきょうで終わる。明日、十月一日に野田内閣は改造人事を行う。自民党は安倍総裁・石破幹事長の新体制となった。ところが東北旅行をしてみて実感したが、自民党の新体制、野田内閣の改造人事に関する関心が極めて薄い。
テレビや新聞が様々な観測記事を書いているのだが、政治について国民の関心が、これほど低調なのは戦後政治のうちでも珍しいのではないか。関心が高いのは、やはり尖閣諸島をめぐる日中対立。中国海軍の軍艦が出動するのではないか、海上自衛隊には潜水艦があるのか?といった類の質問が多い。
国民は災害出動をする陸上自衛隊のことは、よく知っているが、海上自衛隊のことはよく知らない。むしろ中国や韓国の方が、海上自衛隊の戦力現勢に詳しい。やはり戦争を放棄した日本だから、海軍は形だけのもので、日本の海を守るのは海上保安庁の巡視船だけだと日本人は思っているのだろう。
だから中国海軍が出てきたら尖閣諸島は簡単に占領されてしまうと考えている国民が多い。
「日本は原子力潜水艦は持っていないが、世界のトップ水準にある通常動力型潜水艦を十六隻持っている」と言うと「ホウー」と驚く始末。「アジアでも最先端の強力海軍があるから、中国海軍もおいそれと攻撃してこれない。尖閣諸島は中国に奪取されることはない」と太鼓判?を押すとまた「ホウー」と驚く。
参考までに言うと日本の海上自衛隊の戦力は、通常動力型潜水艦16隻(約45千トン)、護衛艦48隻(約222千トン)、機雷艦艇29隻(約27千トン)、哨戒艦艇6隻(約1千トン)、輸送艦艇13隻(約29千トン)、補助艦艇31隻(約126千トン)。航空機は、哨戒ヘリコプター、哨戒機、電子戦機を約250機保有している。
護衛艦部隊は、1個の護衛艦隊を有し、その艦隊は4個の護衛隊群に分割され、1個護衛隊群は約8隻の護衛艦で編成される。このうち1個護衛隊群は、常時実戦配備状態にあり、哨戒任務に就いている。各艦艇は大湊基地、横須賀基地、佐世保基地、呉基地、舞鶴基地にあって日本の海の護りについている。(ウイキペデイアによる)
海上保安庁の巡視船は三十八隻。アメリカ沿岸警備隊(コーストガード)に比すべき準海軍なのだが、3500トン型「いず」、3000トン型「こじま 練習船」、「みうら 練習船」、2000トン型の「ひだ型」などヘリ甲板付高速高機能大型巡視船がある。この巡視船を強化する必要がある。
杜父魚文庫
10607 世界のトップ水準にある通常動力型潜水艦を十六隻 古澤襄

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