10625 幹部若返り人事にはカネがついて回る  宮崎正弘

独裁の革命党から専制政治の執権党へ転身したか、中国共産党。つぎの党大会で幹部を大幅に若返りさせるが、人事にはカネがついて回るだろう。
党幹部の老齢化、老人特有の頭脳不明瞭、言語曖昧には新しい血で代替しなければならない。また同じポストが長いと腐敗が起きる。
「優秀な若者のなかから革命精神に飛んだ逸材を抜擢せよ」とトウ小平が号令をかけたのは1980年だった。
このキャンペーンで浮上したのが胡錦涛、李源潮、張高麗ら団派のテクノクラートだった。
以後、党組織の幹部選抜は、従来の軍歴、戦争経験の有無から、学歴、党歴そして口頭面接による「革命精神」の尺度がバロメーターとなった。
江沢民の「三個代表論」以後ともなると、幹部のポストはカネで買うことが流行し、しかも相場は急騰し、中央委員のうちの76名が「財閥百潔」に入るという異常事態を招いた。
かけ声とは裏腹に、リアリスティックな側面からみると第十八党大会では党幹部クラス1800名のうち、およそ1000名が交代する。
具体的に省書記、省長をはじめとして副書記、副省長、国家機関の部長級だけでも800名。省、自治区、市級幹部(市長、副市長、公安部長など)が600名。国家機関の各部における幹部(部長=大臣クラス、副部長など)が各部に五名で400名。
 
失脚をのぞき、交代理由を年齢的に45歳から50歳代が望ましいとし、さらに45歳以下も各部2-3名配置するとされる。
すでに7月までに各地方党委員会、各単位党委員会では選考を終えている。
党大会となると政治局常務委員のトップ七名の予測しか日本のマスコミは報じないが、末端の人事動向も把握する必要があるだろう。
  
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読者の声  どくしゃのこえ READER‘S OPINIONS 
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(読者の声)日中関係の悪化を損か、得かのレベルで議論するのが日本のマスコミですが、この情けない論壇状況や、いかに? 日本企業はそれぞれがリスクを覚悟して進出したのであり、自己責任では?(JJセブン)
(宮崎正弘のコメント)「得するか、損するか」より、せめて国家百年の大計を持って欲しいモノです。
(読者の声)朝日新聞がはやくも安部撲滅キャンペーン第二弾をはじめています。なんでも安部さんが3500円もの高級カツカレーをたべたとかで「庶民感覚がない」とか。で、朝日新聞社内のレストランのカレーは3675円だそうです。揚げ足取りも、自らに跳ね返るお粗末。(TY生、横浜)
(宮崎正弘のコメント)「戦後レジーム」にどっぷり浸かって胡座を掻いて周囲を睥睨してきた朝日新聞社としては、「戦後レジーム克服」「改憲」を唱える人なんて、敵であり、トンでもないというわけでしょう。
「無人島(尖閣)のために戦争をするのは愚かだ」とか、大江健三郎やらムラカミ春樹ら、左翼ブンカジン総動員という感じですね。ムラカミはナショナリズムを「安酒に酔う」と比喩しています。この人の無国籍ぶりからおよその類推はしてましたが、こうまで酷いとは思いませんでした。
杜父魚文庫

コメント

  1. katachi より:

    安倍さん到来で、SAYOKUの馬鹿ぶり満開ですね。
    ネットの登場で、マスメディアのコントロールが利かなくなった現在は、今までどおりには行きません。
    それなりに言葉の応酬が繰り返される。
    それによってSAYOKUマスメディアの力は、半減、結果は逆転と言う断末魔に近い現象を朝日~NHKなど味あうことになる。

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