10643 小沢一郎氏の逆襲  古澤襄

自民党の石破幹事長は四日、幹事長となっての初記者会見で、野田首相と谷垣前総裁で交わした”近いうちに解散”は、国民に対する約束だと強調した。しかし輿石幹事長ら民主党首脳は早期解散には消極的。
解散は総理大臣の専権事項だから自民党にとっては決め手に欠く。そんなにらみ合いの中で、小沢一郎氏が水面下で着々と解散戦略の布石を打っている。
ひょっとすると、小沢氏の逆襲が野田内閣に致命傷を与えて、年内の解散・総選挙を招き寄せるのかもしれない。
致命傷とは何か?
民主党から離党者が出て、単独過半数割れになれば、衆院で内閣不信任案が上程され、可決されれば野田内閣は総辞職をするか、解散に打ってでるしかない。あと六人の民主党議員は離党すれば、その危うい事態が発生する。
四日、民主党の杉本和巳衆院議員(愛知10区)が離党する意向を固めた。みんなの党に合流したい考えで、同党側に意向を伝えている。杉本離党となれば、単独過半数割れまであと5議席。
杉本氏は党代表選では原口一博元総務相の推薦人になっている。原口氏は小沢氏に近い。
もう一つは、小沢王国といわれた岩手県で、小沢氏に叛いて離党しなかった岩手一区の階猛衆院議員と三区の黄川田徹衆院議員に対して、新党「国民の生活が第一」が対立候補を立てると揺さぶりをかけている。
階氏の公設第1秘書が9月末に退職し、生活の県連に採用されていたことが3日、分かった。「一区の民主人脈を知り尽くす人物」といわれる公設第1秘書の退職は、階氏の後援会で各地区会長の辞任が相次ぐ事態となっている。次のターゲットは黄川田氏の三区であろう。
ポロポロと離党者が出るようになれば、小沢氏の高笑いが聞こえてくる。あくまで水面下の動きだが、見逃すことは出来ない。
杜父魚文庫

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