以前から指摘していることだが、仮に総選挙で民主党が敗北し、自民党政権になっても、参院では自民党が少数勢力であることは、少なくとも来年夏の参院選挙までは変わらない。
それと税と社会保障の一体改革を民主・自民・公明三党が合意し、実現したことは戦後政治の歴史で高く評価されるべきことだと思う。この成果にもっと自信を持つべきではないか。
ひるがえって日本をとりまく情勢は、内外ともに多難の一言に尽きる。日本政治の停滞はひと時も許されない。導きだされる結論は、三党合意した政治の智恵を、この困難な時期に再確認して堅持することではないか。
民主党は選挙を怖れて政治の停滞を加速すべきでない。来年の夏まで解散を引き延ばす党利党略などは、もっての外だといえよう。参院で第一党を持つ民主党に、もっと自信を持つ必要がある。
自民党は維新の会に過大な幻想を抱くべきでない。参院の勢力図をみれば、内外ともに多難なこの時期は、民主党の協力なしには乗りきれない。
ここは、まず民主、自民、公明三党の党首会談を開いて、山積みとなっている赤字国債発行法案などを処理する臨時国会を召集すべきである。必要なら三党首会談で野田首相が「近いうちに解散」を再確認すべきではないか。
さらには三党合意に盛り込んだ社会保障と税の一体改革に関する国民会議の創設を一日も早くスタートさせねばならない。
臨時国会で処理を急ぐべき課題は、一体改革関連の共通番号制度法案(マイナンバー法案)、衆参両院の一票の格差を是正する公職選挙法改正案など山積している。政治の停滞は許されない。
杜父魚文庫
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