一気に秋の気配となった。相変わらず朝の四時には目が覚めるので、書斎でパソコンに向き合い、海外の英字紙に目を通すのが日課となった。AP、ロイター、AFP、イスラエル・ニュースは日本語訳があるが、翻訳者の手を経るので、正午過ぎになる。直接、英字紙に目を通すといっても見出しをさっと見る程度だが、それでもビッグ・ニュースにぶつかることが多い。
いま一番、気にしているのはイスラエル空軍機が撃墜した無人機。砂漠に落ちた機体を回収してイスラエル軍が、その正体を調べている筈だが、日が経っているのに政府側の発表がない。地中海から発進してきたと思われる無人機だが、イランの艦艇が地中海にいる筈がない。どこの国の無人機なのだろうか?
シリアとトルコの砲撃の応酬は七日間も続いている。ソ連がアフガンに侵攻した時に、アフガン・ゲリラが迎え討った。その発進基地となったのはパキスタン。
パキスタンのキャンプでゲリラ戦士に「体術 不二流」を教えていた田中光四郎氏と数寄屋橋の旅館で飯を食ったことがある。「体術 不二流」というのは、日本の武道で”禁じ手”となっている必殺技だけを教える流派。
日本自由アフガニスタン協会の専務理事だった田中氏は、その禁じ手をゲリラ戦士に伝授するためにパキスタンに渡った。私も柔道、剣道、合気道を身につけているので、田中氏の体験には興味があった。戦時中に身につけた武道だったから、禁じ手は一応知っている。合気道は段持ちなので、若い時には喧嘩となると、つい禁じ手を使いたくなった。
いまのトルコにはパキスタンと同じように反体制派の発進基地がある筈である。イスラム諸国からの資金援助や武器・弾薬の密輸ルートもあるという。シリア政府軍の後ろ盾になっているのがロシアだから、歴史は繰り返している。
杜父魚文庫
10695 シリア反体制派の発進基地トルコ 古澤襄

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