10718 莫言の受賞は『後味が悪い』   宮崎正弘

「後味が悪い」、あの共産党べったりの莫言がノーベル文学賞だって?反体制中国人や人権団体が一斉に莫を批判、「スエーデンは中国と取引した」。
中国で莫言の名前を知っている人はかなりの知識人か、なにかだろう。発音はMO YAN、英訳も出ているが欧米でもムラカミハルキほど有名ではない。というより無名に近く、中国の若者も殆どが名前さえ知らない。
たしかに中国国内で16冊の本を上梓しているが、売れたという話もなければ、本名が「菅謀業」で、57歳で山東省の田舎者で、貧困な生い立ちで、いま山東科学技術大学客員教授で、「映画の原作料がたったの4000元だった」と不満を漏らした逸話くらいしか知られていない。人民解放軍除隊後、創作活動をはじめ、影響を受けた作家にウィリアムフォークナーをあげた。
ヒット作『赤いコウリャン』は張芸謀監督が映画化したので人口に膾炙されたが、ほかの作品はファンタジーの手法で中国の農村の風俗と民話を現代風に幻想的にアレンジしたガルシア・マルケス的な作風という。
スエーデン・アカデミーの受賞理由の開示説明も奥歯に物の挟まったような、つまり積極性がなかった。「政治的意図はない」とわざわざコメントをくわえるほどに困惑した表情も見て取れる。ノーベルアカデミーは中国に買収されたのか、という批判が巻き起こるのは当然だろう。
これは二年前の劉暁波へのノーベル平和賞に対して中国が取った信じられない妨害工作、その後の経済制裁と、中国のイメージ改善をはかるため、莫言の受賞は取引されたのではないか、とする疑問が世界各国の有識者のあいだにまたたくまに拡がった。『後味が悪い』とアイメイメイも発言し、「受賞に値しない」と苒雲飛(四川省の編集者で08年憲章のまとめ役)は褪(さ)めた感想をのべている。
▼受賞に値するのか、と中国の知識人たち
在米嘉字紙の反応もひややかそのもの。書き込み欄には「スエーデンは共産党員作家になぜ名誉を与えたのか」と、怒りの投書が集中している。
また人権団体は「莫言は共産党べったり、人権弾圧に抗議声明も出さない男だ」と批判声明をだした。しかし莫言という筆名は、中国で『喋るな』という意味であり、じつに暗喩的である。
もしムラカミハルキが受賞していたとしても、日本の伝統に基づかない無国籍作風ゆえに、伝統的日本人としては嬉しくないが、こんどはじつに後味が悪いニュースだ。
  
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  読者の声 どくしゃのこえ 読者之声
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(読者の声)あるブログに次の書評がありました。
(引用開始)「本の紹介です。『2013年の中国を予測する』(宮崎正弘+石平対談)。長谷川慶太郎さんの予測よりも、もっと現実的です。中国をよく見ている。いろんな側面から中国を論じている。参考にできる内容だと思います。他にも良書はあるでしょうが、読んで有益になると思います。中国のこれまでと現在についてよく書いてあります。そして、今後の中国の予測を、現在の問題点を取り上げながら、説明されている点は、非常に分かりやすく予測ができる。また、日本との問題点も当然書かれてありますよ。一度読まれては如何かな?」(引用止め)。(FF子)
(読者の声)貴誌3785号の「李瑞環と呉儀女史が北京でテニス観戦」の記事に『江沢民の動静が伝わった。9月22日、北京のオペラ座(国家大劇院、天安門広場の南西)に現れ、その健在ぶりをアピールしたのだ。「薄王事件」で影響力激落中の上海派が「くたばってませんよ。上皇様は」と政局に介入した政治的意味がある。』との記述があります。
しかし、この江沢民の国家大劇院でのオペラ観劇については、その後の調査で嘘記事であることが判明したようですし、同記事に掲載された江沢民の写真はインチキ写真であると判定されています。
9月22日に国家大劇院ではオペラ公演はなかったことが確認されましたし、写真を分析すると観衆の視線が江沢民に向けられていないことが判明し、加工されたインチキ写真であると判定されたものです。
今年4月にも江沢民がスターバックスの会長と会談したというインチキ写真が出回ったことがありましたが、今回も同様のようです。
もし本当に江沢民が国家大劇院でオペラ観劇したら中国の人民日報などに記事が載るでしょうけれど、国内メディアは全くこれを報じなかったことからも嘘記事であることが分かります。しかも、9月22日のオペラ観劇に参加したのは江沢民シンパの老人ばかりで、現役の指導者は誰も参加しなかったということも、嘘記事を証明しているように思えます。
この事実を受けて、中国語ネットには「江沢民“假”露面 李瑞環“真”出場」という記事まで掲載されています。記事を鵜呑みにせず、もうすこし慎重に記事の真偽を確認されるべきだと思いますが、いかがでしょうか。(商社員)
(宮崎正弘のコメント)その昔、魯迅の嫡孫の周令飛が台湾に亡命したとき、小生まっさきに台北へ飛んで『週刊文春』のインタビューをおこないました。「北京で何をしていたのか?」と問うと、口を濁しましたが、やがて「毎日毎日、上から言われて、あいつの写真を、この会議風景から消せ、あいつの写真をこれに加えろ」と合成写真、偽写真をつくっていたと。そして周令飛は後日、そのことを回想録『北京よ、さらば』(日本語版は佃正道訳、産経新聞社刊)に掲載しました。(『北京よ、さらば―魯迅の孫が綴る中国の30年』は1983年刊行で古本でも入手不能の状況です)
北京は同じ事をまだやっているんですね。貴重な情報をご教示いただき有り難うございました。
(読者の声)以前、日清戦争に従軍した兵士の手記を紹介しました。その中では朝鮮の都市はどこも糞尿まみれ、イザベラ・バードの時代と何ら変わっていなかった。
日韓併合で朝鮮総督府が置かれ、京城(ソウル)にも朝鮮人経営の飲食店ができるのですが、警察は徹底的に取り締まります。
なぜなら店にトイレがない。戦前の警察は今の保健所の役割も果たしていますが、糞尿まみれがあたりまえの朝鮮人にトイレの大事さを教えるのは大変だったことでしょう。
現在でも寄生虫卵汚染キムチを始めトイレットペーパーの付着した韓国海苔など話題に事欠きません。米国では韓国産海産物から人糞由来のものが検出された、として韓国産海産物を輸入禁止にしたりしています。
ちなみに韓国では今でも年に一回は虫下しを飲むのがあたりまえ。K-POPの女性アイドルは半年に一回虫下しを飲むという。
http://www.wara2ch.com/archives/1778904.html
グループ少女時代のスヨンは多情多感だ。スヨンはKBS2TV『夜行性』の録画で、「メンバーの健康のために、6ヶ月に一度ずつメンバーに駆虫薬を用意する」、「メンバーがあまりにも多いので、誰が飲んで誰が飲まなかったのか分からなくなるので、いちいち薬に名前を書き込んで几帳面に準備する」と打ち明けた。 (以下略)
虫下しの話はネットをする人にはけっこう知られたことですが、本家本元、韓国の大学研究チームがソウルの朝鮮時代の地層を発掘したら各種寄生虫卵がゾロゾロ。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=1011&f=national_1011_014.shtml
韓国メディアは、「朝鮮時代の人々の胃に寄生虫、衝撃」「朝鮮時代、漢陽通りは糞尿天国」などと題し、世宗路につながるソウルの中心地は朝鮮時代、においに悩まされ、通りでは汚物を踏んでしまう汚れた街であり、衛生状態も深刻だったと伝えた。
実際の景福宮の前で抽出した土壌からは、1グラムあたり最大165個の卵が確認され、残りのサンプルでも平均35個の卵が発見された。
シン教授は「当時、人糞による土の汚染度がかなりひどかったという事実を示す結果となった。現在に置き換えた場合、寄生虫の卵がこれほどたくさん出てくる地域は、衛生施設が劣悪な発展途上国の大都市だけ」と説明した。 (以下略)
韓国ではキムチの輸出額よりも輸入額が多い(中国から)のが現状。安いキムチばかりで不味くて寄生虫の心配もある。日本でキムチを食べた韓国人がおみやげに日本製のキムチを買って帰るという話もあります。
高くても原料にこだわって美味しい日本のキムチ。インド料理でも日本のほうが高価なスパイスをふんだんに使えるのでインドの店より美味しいこともある。
自民党総裁選で安倍元総理を3500円のカツカレーで叩こうとしたら、朝日新聞社内のレストランのカレーが3500円以上だったので、自ら墓穴を掘りました。
資生堂パーラー銀座、伊勢海老とアワビのカレーなど10500円ですが、目の前で調理、調理に使う酒はHennessyという贅沢さ。一度は食べてみたいものです。
http://kuniroku.com/2008/02/post_173.html
カツカレーの話題一つでこれほど盛り上がるのですからカレーはまさに日本の国民食。海軍カレーを引き継ぐ海上自衛隊ではさまざまなカレーレシピを公開しています。
http://www.mod.go.jp/msdf/formal/family/recipe/archive/currey.html
海自各艦艇ごとに秘伝のレシピでもあるのか40種を超えるレシピが紹介されています。いくつか見た限りでは、「じゃがいも」より「馬鈴薯」が優勢、隠し味にインスタントコーヒーというのは多いですね。
カレールー(業務用フレーク)はブレンドするというのも多い。一度航海に出たら数ヶ月は海の上、カレーも毎回微妙に違う味になるよう工夫をこらしているのでしょうか。(PB生、千葉)
(宮崎正弘のコメント)韓国で土産にキムチを買うと高くてまずくて、結局新宿のコリアンタウンで買ったほうが旨くて安かった。日本のスーパーで売っているキムチも、随分と美味しいものがあるようですね。
かなり前に中村彰彦がカナダの軍艦の親善訪問を取材するので、一緒にこないかと誘われ、横須賀から乗船したことがあります。近代的設備、食堂のきれいなこと、寒い日でしたので、バアでいっぱいやった記憶があります。
わが自衛隊の艦船でも、おなじ催しがあったので一、二度、招待されて行きましたが、その清潔度は世界一だろうとおもいました。ただし自衛艦の名前もカナダの艦船の名前も忘れました。
杜父魚文庫

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