10730 ロムニー・外交アドバイザーに対中強硬派  古澤襄

英ロイターは十一月の米大統領選でオバマ大統領と共和党候補のロムニー氏のいずれが勝利するにせよ、米国の強硬な対中政策姿勢が維持されるという論評を掲げた。
とくに目下優勢なロムニー氏が大統領に選ばれたら、同氏が外交アドバイザーに対中強硬派として知られる元国連大使のジョン・ボルトン氏や、米プリンストン大教授のアーロン・フリードバーグ氏らを起用している点に注目している。
その一方で、ワシントンにある親イスラエル・シンクタンクの動きも見逃せない。十月十日のイスラエル情報(イスラエル・ニュース)は「米国とイスラエルがイランの核施設に限定的な攻撃を検討していると、米政権に近い人物が発言。世論を見極めるための発言か。(Y,H,P)」という情報を伝えた。
人口的には大きな基盤を持たないシオニストのエリートたちだが、アメリカの権力構造をみるうえで依然として無視できない存在となっている。
ブッシュ前政権下の初期にアリ・フレイシャー(Ari Fleischer)、ポール・ウォルフォヴィッツ(Paul Wolfowitz)、デイヴィッド・フラム(David Frum)、リチャード・パール(Richard Perle)、ダグラス・ファイス(Douglas Feith)、エリオット・エイブラムズ(Eliott Abrams)、アーヴング・(スクーター・)リビー(Irving (Scooter) Libby)、デイヴィッド・ウヮームサー(David Wurmser)、ジョセフ・リーバーマン(Joseph Lieberman)らが登場して、イラク戦争を主導した記憶が新しい。
いまは沈黙している”ネオコン”、ネオコンサバティズム(Neo Conservatism)」の論客たちが、中国よりもイランを主敵として行動する可能性がなしとはしない。イスラエル・ニュースが米国とイスラエルがイランの核施設に限定的な攻撃を検討と伝えたのは、一種の期待感といえよう。
中国にとっては、米外交の目がイスラエル擁護に向く方が好都合といえる。アフガン戦争、イラク戦争で失敗した米中東外交が、その轍を再び踏むとは思えないが、対中抑止外交とイスラエル擁護の中東外交は、米国の外交政策の選択の課題であるのは変わりない。
杜父魚文庫

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