王炉寧(上海フッタン大学前教授)に注目、次期上海市書記の声あり。江沢民、団派入り乱れての上海利権争奪に妥協案。
外交専門で国際関係論の著作も多い、学者出身の王炉寧は現在「中央政策研究所主任」である。
歴代政権のブレーンとして江沢民の「三個代表論」と胡錦涛の「科学的発展観」「和諧社会」の執筆にも参与した。江沢民の知恵袋といわれたが、そのまま胡錦涛の知恵袋に移行し、外交スピーチの草案作成に辣腕を振るう。佐藤政権のブレーンだった若泉敬のような役割なのだろう。
江沢民が上海書記時代に少壮学者としてデビューした王炉寧に目をつけたのは江沢民の右腕、曾慶紅だった。たびたび茶話会をかさねるうちに意気投合し、政権中枢のブレーンとして重宝がられるに到った。
2002年に中央委員、03年から政策研究所主任のポストを得て、中国の外交政策全般の政策立案過程に寄与した。07年には中央書記処書記となってトウ力群の後釜。
胡錦涛の外遊には随行すること多く、この間に首席補佐官役だった令計画の事実上の左遷にともなって、12年7月の香港訪問、その後の欧州ならびに九月の国連総会、APECウラジオストック会議にも胡錦涛に同行しアドバイス役を務めたため俄然、注目された。
多維新聞網によれば、この王炉寧が次期政権中枢入りして、副総理になるか、あるいは上海書記の可能性があると大飛躍の可能性を伝えた。現在、中央委員でしかない王が副総理になるのは考えにくいが、大十八回共産党大会以後に政治局に入れば、上海市書記の可能性は多少残る。
というのも、現在の上海書記は愈正声、かれは政治局常務委員になると言われており、すると空席を当面、市長の韓正が埋めることになるだろう。韓正は次に公安部長もしくは国務委員になると予想されており、となれば2013年3月以後、そのあとの王が収まるというわけだ。(註 王炉寧の「炉」はさんずい)
杜父魚文庫
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