10745 夢と消えた”輿石ウルトラC” 古沢襄

10月10日夜、民主党の輿石幹事長が鳩山元首相と会い、小沢氏との関係改善への斡旋を頼んだのは”輿石ウルトラC”と喧伝された。
民主党から離党者が出て、過半数割れになっても小沢氏の「国民の生活が第一」が、臨時国会で野田内閣不信任決議案に同調しなければ、不信任決議を否決することができる。否決すれば野田内閣は逆に信任されたことになる。
これによって野党が要求している早期解散・年内総選挙を封じ、来年に引き延ばしを図るという”三段論法”。鳩山元首相は水面下で小沢氏に打診したのであろう。
小沢氏は14日、青森県十和田市で消費増税と社会保障の一体改革を進める民主・自民・公明三党に対峙して、消費税率引き上げに反対する勢力を結集し、政権の奪還を目指すと発言した。
オヤオヤ話が少し違うと輿石幹事長は感じたのではないか。
追い討ちをかける様に小沢氏は15日、臨時国会で野田内閣不信任決議案が提出されたら「野田内閣を信任することはあり得ない」と言い切った。37人の「国民の生活が第一」が内閣不信任決議案に同調することを示唆したことになる。
かくして”輿石ウルトラC”は夢と消えた。原理原則主義者の小沢氏には輿石流の融通無碍戦法は通じない。
わずか5日間の出来事なのだが、こんごの政局に与える影響は大きい。民主党からさらに離党者が出るかは定かでないが、原口元総務相ら反野田グループが内閣不信任決議案が上程される衆院本会議に欠席する造反の可能性が高い。
むしろ年内解散・12月総選挙が急速に高まっているとみるべきであろう。政界の一寸先はまさに”闇”。これから何が起こっても不思議ではない。
杜父魚文庫

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