10754 中国軍艦接続水域を通過 日本への示威行動  古沢襄

防衛省は先島諸島を通過した中国海軍艦船「シャンウェイⅡ級フリゲート528」を公表した。
中国海軍が初めて与那国島-西表島間の海域を通過したのは、沖縄県・尖閣諸島にも接近し、尖閣国有化に対抗する示威行動といえる。
自衛隊幹部は「米軍空母への牽制(けんせい)だ」と明言している。
<中国海軍艦艇が16日、初めて与那国島-西表島間の海域を通過した。これまで中国艦艇の太平洋への出入り口となってきたのは沖縄本島-宮古島間だったが、今回はより狭い海域の接続水域を航行。
沖縄県・尖閣諸島にも接近し、尖閣国有化に対抗する示威行動といえる。南シナ海から尖閣付近へと針路をとり、米軍に「二正面作戦」を迫るという中国側の周到な狙いも透けてみえる。
今回の7隻は中国を出港後、今月4日に沖縄本島-宮古島間を通り、太平洋に抜けた。その際、ある自衛隊幹部は「米軍空母への牽制(けんせい)だ」と明言していた。
米第7艦隊は2日、横須賀(神奈川県)を拠点とする空母「ジョージ・ワシントン」に加え、米本土を母港とする「ジョン・C・ステニス」の2つの空母部隊を西太平洋に展開させる異例の態勢を公表した。これに対抗するため、7隻は派遣されたとみられる。
7隻は16日、フィリピン沖の南シナ海からルソン海峡を通過。太平洋に入り北上した後、尖閣方面に向かいかけた。南シナ海、太平洋、東シナ海という広大な海域を縦横無尽に動き回れることを誇示したわけだ。
米軍は戦力の分散を余儀なくされた。セシル・ヘイニー米太平洋艦隊司令官は都内で記者団に「中国は海上能力を使う際には『透明性』を伴うべきだ」と警戒感を示した。
こうした米中の応酬を新たな「角逐」の始まりとみる防衛省幹部もいる。2008年から中国海軍は遠洋訓練を活発化させてきたが、それにとどまらず、今後は米海軍への牽制を「常態化」させるというのだ。
「台風を避けるためで、尖閣に近づく意図はない」。防衛省関係者によると中国側はそう説明したという。だが、台風避難の名目で尖閣に不法上陸し、「人道的観点」から上陸を正当化するのは中国の尖閣奪取シナリオの一つだ。政府高官は「これも『世論戦』の一環だ」と指摘した。(産経)>
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