10767 橋下市長“出自”記事、週刊朝日謝罪   古澤襄

週刊朝日は18日、今週発売された橋下大阪市長の血筋についての記事について「不適切な記述が複数あった」とした上で、「差別を是認したり助長したりする意図は毛頭ありませんが、不適切な記述をしたことについて深刻に受け止めています」と謝罪のコメントを発表した。
記事はノンフィクション作家・佐野真一氏と週刊朝日取材班の今西憲之、村岡正浩両記者の合作と銘打って、第一回「パーテイーにいた謎の人物と博徒だった父」には、橋下家の家系図まで掲載したセンセーショナルで暴露的な内容となった。
「父親の出身地の八尾市安中地区には被差別部落がある」とタブーとされた被差別部落問題に触れている。「父親が自殺しているばかりか、従兄弟が金属バットで人を殺しているという。橋下徹の周りには修羅が渦巻いている」というあたりは、いまの橋下市政とは何の関係があるのだろう。
被差別部落出身という境遇を関係付けて縷々述べるのは、時代錯誤の行き過ぎと非難されても仕方ない。橋下市長は週刊朝日や100%出資の親会社・朝日新聞に対して一切の取材拒否を表明した。
この記事を読んで、関西地区を中心に朝日新聞の購読拒否運動が生まれると思ったのは私だけであるまい。
<橋下大阪市長の血筋についての記事を巡って、夜になって動きがありました。記事を掲載した週刊朝日側は、「不適な記述があった」とおわびのコメントを出しました。橋下市長はこれについて、「公の場で議論すべきだ」とツイッター上で述べています。
足早に会見に臨んだ大阪市の橋下市長。“取材拒否”という判断をどう説明するのでしょうか。
発端は今週発売された「週刊朝日」の連載記事です。表紙に踊る“ハシシタ”の文字。ノンフィクション作家の佐野眞一さんらが執筆したもので、「橋下市長の本性をあぶりだすため」として、「政治手法を検証するつもりはない」と断言。市長の実父の経歴などに触れています。
「僕は公人でありますから、一定の範囲で僕の両親や先祖のことを必要に応じて報じられるのはしかたない」(大阪市 橋下徹 市長)
自分の家族などについて、報じられるのは「ある程度仕方ない」とした橋下市長ですが、自らの人格を先祖や血脈などで論じていく手法について強く非難しました。
「血脈主義とか身分制度とか被差別部落問題など、これまで日本が抱えてきた課題について、乗り越えるため積み重なってきた一定のルールを度外視して、公人だから全ていいんだと」(大阪市 橋下徹 市長)
さらに、記事における取材先についても言及しました。
「証言内容がとれれば報じるのも結構だが、それでも『ハシシタ』の血脈について、どこまで知っているか分からない人の話をそのまま取材して聞いて、しかも何十年前の話なんですから、いったい、この人がどこまで覚えているのか分からないような話をどんどん無制限に事実として報じていく今回の週刊朝日の記事のあり方について、僕は絶対違うと思っている」(大阪市 橋下徹 市長)
今回、橋下市長は「週刊朝日」を発行する「朝日新聞出版」だけではなく、親会社である「朝日新聞社」の取材も拒否する姿勢です。朝日新聞側は、「朝日新聞出版」とは「編集権が別だ」と主張しますが・・・
「確かに子会社ではあるが、編集権は全く別であります。事前に記事の内容を我々がチェックすることは全くありません」(朝日新聞の記者)
「役員とか編集長まで調べるつもりはないが、そういう考えをとっていないというなら、『週刊朝日』に対して、株主としてどういう態度をとるんですか?そういう考え方も出さないんでしょ?そんなんだったら不法団体がトンネル会社作って何でもかんでもいろんなことするのと一緒。『週刊朝日』の考え方は違うのなら、出資引きあげたらいいだけの話じゃないですか」(大阪市 橋下徹 市長)
これに対し、週刊朝日側は午後9時ごろ、「不適切な記述が複数あった」とした上で、「差別を是認したり助長したりする意図は毛頭ありませんが、不適切な記述をしたことについて深刻に受け止めています」と謝罪のコメントを発表。次号で「おわび」を掲載するとしています。朝日新聞出版の広報によりますと、連載を継続するかは決まっていないといいます。
橋下市長はツイッターの書込みを次々更新。週刊朝日の編集長から直接会って話をしたいと申し入れがあったことを明らかにし、「公で血の論理を展開した以上は言論市場の場で議論すべき」として、公開の場での議論を求めています。(TBS)>
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