甘酒・・・毎年暮れになると従妹の信州銘醸に注文して甘酒を楽しむ。スーパーなどで見かける甘酒とはチト違う。千葉から酒造りの職人を呼んで信州の清麗な水を使って、手造りで醸造する”米のジュース”。
ことしは欲張って一升ビンで六本注文した。信州の上田は雪はたいしたことがないが、寒気が半端ではない。その風土で醸造する甘酒だからスーパーの甘酒にない清麗な味がある。「十一月に第一号が出来るから、すぐ送るよ」と70歳の従妹が電話で言ってきた。
「添加物はないよ」
「ビンの蓋を開けたら早く飲んで・・・」
お喋り従妹の注文が機関銃の掃射のように止まらない。そのお陰で酒造りのノウハウをかなり教えて貰った。酒というのは有史以前からつくられていたという。
ウイキペデイアの受け売りだが、2004年12月、中国で紀元前7000年ごろの賈湖遺跡(かこいせき)から出土した陶器片を分析したところ、米・果実・蜂蜜などで作った醸造酒の成分が検出されたという報告があった。いまのところこれが考古学的には最古の酒である。
日本人の場合全くアルコールを飲まない場合よりも、一日あたりの純アルコール摂取量として、男性の場合10~19g、女性の場合微量~9gのアルコールを習慣的に摂取した場合に最も死亡率が低くなるとされている。
しかし同時に、これらの量を超えてアルコールを摂取し続けた場合は、全くアルコールを飲まないのと同程度か、それ以上に死亡率が高まるとしている・・・一口で言えばホドホドに飲酒していれば、健康によいということであろう。
清酒もよいが、東京・赤坂のホテル・ニュージャパンの近くにあった店で”どぶろく”を飲んで以来、おいしいどぶろくにはまり込んだ。もう40年になるどぶろく党。病が高じて、自分でどぶろくを造ったこともある。瓶に二つ、どぶろく造りをしたが、関東の暖かさでは出来たどぶろくが酸っぱい。やはり寒い土地でのどぶろくに限る。
「酒は麹と水よ」
と従妹は言った。
麹つまりは酒造りに向く米を選び、発酵させた清酒酵母によって酒の味や香りや質が決まる。清酒の80%は水なのだが、酒造元では良質の水を得るのに苦労している。カルキの入った水道水などは、もっての外。水源はほとんどが伏流水や地下水などの井戸水だという。
従妹のところは信州の和田峠で湧く超軟水の黒耀水と依田川の伏流水を使っているという。このあたりになると素人の私は「ハイハイ」とお説を拝聴するしかない。自家製のどぶろく造りが失敗作だったのは、カルキたっぷりの水道水にも一因があると気がついたが後の祭り。
まあ、お説はお説として、やはり上質の酒をチョッピリ楽しむのが何よりもいい。あと10日間もすれば、従妹の甘酒が届くだろう。野田政権の不甲斐なさに腹を立てるのも、しばし忘れる。
杜父魚文庫でんw
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