10786 小沢代表“不信任案可決・野田首相退陣も”   古澤襄

新聞各社の社説で徹底批判された野田政権だが、解散のエネルギーも枯渇しているという見方すら浮上している。訪独中の国民の生活が第一の小沢代表は、次の臨時国会で内閣不信任決議案が可決される可能性があるという見方を示し、その場合、決議案の採決前に野田総理大臣が退陣に追い込まれると占った。
民主党内にくすぶる反野田グループは十数人にのぼるといわれ、それと呼応した小沢氏の政局判断であろう。解散・総選挙で民主党が壊滅的な大敗をすることを恐れる輿石幹事長も、水面下で小沢氏と通じている可能性が濃厚となった。狙いは細野政調会長の後継代表であろう。
産経新聞は①年内解散②首相退陣③年明け以降解散の「三つケース」でシミュレーションをしている。解散のエネルギーも枯渇しているとすれば、”首相退陣”のケースが高い。
首相周辺は退陣に追い込まれるよりは、解散の道を模索しているが、野党攻勢と党内の野田おろしという前門のオオカミ、後門のトラの前に立ちすくんで、為す術がないというのが真相ではないか。
<国民の生活が第一の小沢代表は、訪問先のドイツで記者団に対し、次の臨時国会で内閣不信任決議案が可決される可能性があるという見方を示し、その場合、決議案の採決前に野田総理大臣が退陣に追い込まれることもあり得るという考えを示しました。
この中で、小沢代表は「改造した野田内閣が今の状況だと、内閣不信任決議案が出たら通るかもしれない」と述べました。
そのうえで、小沢氏は「そういう状況になったら、民主党内から内閣不信任決議案を採決する前に野田総理大臣の辞任を求める動きが出て、『違う人を』という話になるかもしれない」と述べ、内閣不信任決議案の採決前に、野田総理大臣が退陣に追い込まれることもあり得るという考えを示しました。
また、小沢氏は日本維新の会について「橋下市長が目指す地域主権は本気だと思うが、旧体制の自民党と一緒に何かをやろうというなら維新ではない。既成政党の不満のはけ口への期待感が出ていたが、何を目指しているのか今のままでは分からず、火が下火になってきている」と述べました。(NHK)>
<野田佳彦首相(民主党代表)と安倍晋三自民党総裁、山口那津男公明党代表による会談が決裂したことで、29日召集予定の臨時国会は冒頭から大荒れとなりそうだ。政府・民主党は臨時国会の会期を11月30日までの33日間とする方向で調整に入った。
自公両党は衆院解散に追い込むため攻勢を強めるのは必至だが、首相が解散に踏み切ろうとすれば、民主党内で「野田降ろし」の動きに火がつきかねない。政界は一気に流動的な局面に突入した。
■【年内解散】
「首相は党首会談で『近いうちに国民に信を問う』と、いろんな言葉を交えて言っている。信じていただいたほうがいい」
民主党の安住淳幹事長代行は20日、読売テレビ番組でこう語り、赤字国債発行に必要な特例公債法案の成立など条件が整えば解散するとの見通しを示した。
だが、党首会談で首相が解散時期を明示しなかったことで、自公両党の不信感はピークに達している。
自民党の石破茂幹事長は鳥取県倉吉市で講演し「これが人間のすることか。恥を知れ」と罵(ののし)った。信頼関係がこじれた以上、自公両党は首相に協力する気になれないのが本音だ。とはいえ、手をこまねいていては、首相の延命を許すことになりかねない。
結局、年内に解散させるには、内閣不信任決議案に頼らざるを得ないのが現実だ。民主党に国民新党を加えた与党は、衆院過半数(239議席)割れまであと9人と徳俵に足をかけている。首相に距離を置く「離党予備軍」は十数人いるとされるだけに、可決の可能性は十分ある。
■【首相退陣】
もっとも、首相がこうした状況に追い詰められた場合、民主党内で首相を引きずり下ろす流れが強まることも想定される。
「不信任が可決されるかもしれない。民主党内で『その前にどうするか』という話になるのではないか」
「国民の生活が第一」の小沢一郎代表は19日夜(日本時間20日未明)、訪問先のドイツ・ミュンヘンで同行記者団との懇談でそう予言した。
内閣改造して支持率が下がるような野田首相で衆院選に臨むわけにはいかない-。民主党内にはこんな悲鳴が広がりつつある。首相から「一蓮(いちれん)托生(たくしょう)だ」と告げられた輿石(こしいし)東(あずま)幹事長に対し首相の首に鈴をつける役回りを期待する向きもある。
不信任案をめぐる攻防とは別に、退陣に追い込まれる可能性もある。特例公債法案が未成立だと、11月末には平成24年度予算の財源が枯渇する。国民生活をこれ以上犠牲にできないと首相が判断し、解散を確約すれば、その瞬間に首相退陣論が現実味を帯びる。
■【年明け以降解散】
自公両党から突き上げられ、民主党内から「野田降ろし」が巻き起きるのなら、首相がひたすら解散を先送りすることも考えられる。特例公債法案が成立しなければ野党に責任を押し付ける。野党が審議拒否をしても長くは続かない-。民主党内にはそんな無責任で甘い見立ても公然と語られている。
「解散の日を特定しなければ何もしないということなら再会談は必要ない」岡田克也副総理は20日のテレビ東京番組で自公両党を突き放した。
岡田氏は「25年度の予算編成の骨格を民主、自民、公明の3党で協議しながら作ることがあってしかるべきだ」とも語った。25年度予算案が決まる年末ギリギリまで持久戦を続けることで、年内解散を阻止する思惑がちらつく。
特例公債法案未成立の影響による財源不足は「財務省証券」でまかなった上で、来年1月の通常国会冒頭での特例公債法案成立と引き換えに解散する。そんなシナリオも考えられる。
しかし首相が予算案決定まで延命すれば、予算案成立の重要性をことさら強調し、予算案成立の春まで解散を先延ばしにする可能性も高い。首相の選択肢は限られているが、相も変わらず行き当たりばったりの政権運営が続きそうだ。(産経)
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