尖閣、竹島、北方領土をめぐって、日本は中韓露3つの国から、思うままに翻弄されている。
20年前までは、考えられなかったことだ。これらの国は、日本に対して今よりも節度をもって接していた。
これも、歴代の政府が中韓露3ヶ国に対して、できるだけ刺激しないように、戦戦兢兢として対応してきたからだ。
中国の活動家7人が尖閣諸島の魚釣島に強行上陸した時にも、巡視船に投石したにもかかわらず、穏便に処理するために、送検することなく、強制退去処分ですませた。
考えてみると、日本はこれらの活動家に対して、非礼を働いている。怪しげな性風俗店で働く中国人女性を逮捕すると、不法滞在や、不法就労のかどで強制送還するが、愛国の至情に駆られて、日本の主権を侵犯した活動家たちを、売春婦扱いにしてよいものか。
活動家たちは香港へ戻ると、中国のテレビが凱旋将兵もどきに歓迎したが、またすぐに尖閣諸島に上陸すると、気勢をあげていた。きっと、戻ってこよう。
政府は韓国の李明博大統領が竹島に上陸し、得意になって、天皇に対して非礼きわまる発言を弄した時も、そうだった。韓国に対して経済制裁を加えるほかない。
少なくとも竹島に上陸したり、ソウルの日本大使館前の慰安婦像のまわりで反日デモを行う者には、日本への入国ビザを発給しない措置を講じるべきである。
“躾けの悪い少年”
野田首相は中韓両国による不法行為に対して、口では「遺憾」だというものの、いたずらに「冷静な対応」が望ましいと繰り返すのみで、毅然たる態度を示そうとしなかった。
このような態度は、日本と3ヶ国との親善を、大きく損ねるものである。これまで政府が無責任に対応してきたことが、中韓露3つの国を増長させたために、日本国民が3ヶ国に対する嫌悪感を募らせてきたから、かえって日中、日韓、日露関係を悪化させることになっており、望ましくない。
森本敏防衛相が李大統領が竹島に上陸した直後に、「これは韓国の内政事情が引きおこしたもので、外国の内政に干渉してはならない」と発言したが、お粗末きわまりない。即刻、馘首すべきだった。知的障害を患っている者を、防衛大臣であるべきでない。
もっとも、日本の主権を侵す国々に対して、毅然たる態度を示すことができないのは、日本の国内問題の延長である。
3つの国は、躾けが悪い少年によく似ている。
いまの日本は、どこを捜しても、子どもを厳しく育てる父親がいない。父親たる責任を放棄して、甘やかしている。
私は浅草名物の雷おこしを口にするたびに、雷門はまだあっても、雷オヤジを懐かしく思い出す。
この国から雷オヤジがいなくなってしまった。私が幼かったころには、餓鬼仲間と悪さをするたびに、近所の雷オヤジが大声で怒鳴ったものだった。
戦後の日本では、人が寛容であることが、よいこととされている。しかし、あらゆることについて寛容であるのは、責任をとることを恐れているからだ。心神喪失しているから、禁治産者とするべきだ。
ちなみに、雷おこしは江戸時代に浅草で、雷門に家を起こすをかけて、縁起物として生まれたものである。日本を興そう。
杜父魚文庫
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