あまり注目されていないが、25日新党の結成を表明した石原東京都知事は夜、亀井静香氏と会って新党への参加を打診していた。
亀井氏はかねてから石原氏に新党の結成をうながしてきた仲。しかし亀井氏は参加を断ったという。
石原氏と仲がいい亀井氏は、一方で小沢一郎氏とも親しい。25日に会談した亀井氏は持論の石原・小沢提携を提案したのであろう。しかし石原氏は小沢氏との提携を峻拒し、もの別れに終わった。
亀井氏にしてみれば、30数人を擁する国民の生活との提携は、石原氏が狙う第三極の構築を一気に加速できるという思いがある。
しかしこの夜、石原氏は東京都内の「たちあがれ日本」の党本部で、平沼赳夫代表ら5人の党所属の国会議員と会談、「たちあがれ日本」を解党したうえで、新党に参加するよう要請した。平沼氏らは
同意し、30日に党の関係者を集めて了解をとりつけて、新党に参加することになった。
平沼氏は「石原新党で擁立する新人候補は数十人規模になった。現職国会議員で新党に参加する数はさらに増える」と述べた。
すでに小林興起氏(減税日本・平安)が新党参加を表明している。
石原氏は橋下大阪市長とも政策の調整を行って、西の橋下新党・東の石原新党の提携構想を描く。しかし関東地区に基盤を置く「みんなの党」とは、もともと渡辺代表との接点がない。渡辺氏は所属国会議員の一部が橋下新党に走った苦い経験がある。
渡辺代表は「新党を作って中央官僚と戦うというのは、たいへん結構なことだが、国政政党になるというのであれば、消費税率の引き上げや原子力発電所についての考え方をはっきりしてもらわないと困る。増税や原発を容認するなら、民主・自民・公明の3党の補完勢力になり、『維新』ではなく、よくて『新選組』だ。政策のずれを残したまま連携すれば、野合と言われてしまう」と戸惑いを隠さない。
第三極構築の道筋は、多難といえよう。
杜父魚文庫
10835 亀井静香氏は石原新党に参加せず 古澤襄

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