10855 準備万端相整っているのか    前田正晶

玄葉外相が「都知事としての言葉には国家のトップになった場合には相応しくないものが多い」と言ったのが面白かった。石原前都知事は国政に復帰するとは言っていたが、総理大臣になろうとは言っていなかった。だが、民主党の主要閣僚は総理大臣宣言ととった訳だ。
28日朝のフジテレビでも安住幹事長代理は例によってかなり激しい口調で揚げ足取りをしていたし、河野洋平はサンデー・モーニングであの都知事辞職宣言を「不愉快な思いで聞いていた」とまで言ってのけた。
不愉快宣言は兎も角、民主党の警戒態勢は解るが、石原新党がどうなろうと民主党が来たるべき選挙で敗退することは変わらないだろう。
私は石原君の意気壮んなことは結構だとは思うが、彼が党首になると平沼赳夫が言う「たちあがれ日本」は嘗ては我が国の第一線に立っても不思議ではなかった人たちが高齢者となっても結集しているだけで、この変化が激しく且つ早い時代では将来性には疑問符を付けたい。
さらに密会していると報じられている橋下大阪市長率いる「日本維新の会」には、残念ながら期待したくても期待しようがない人材ばかりが結集しているだけで、やや薄れ掛かった橋下徹への嘗ての期待が頼みの綱のように見えるのでは、「如何に石原君のご威光があってもなー」と思わざるを得ない。
また彼は「原発や消費税政策の違いなどは大事の前の小事で些末な問題だ」と言ってのけたが、政策ではなかったアジェンダが違うと言う「みんなの党」にしたところで、何となく党内が揺れていると報じられてしまったではないか。
この現状では、「右寄りだとされている自民党と公明党と同じ右寄りで、左傾している民主党に対する第三極ではないのでは」と今朝ほど誰かが指摘したことが当たっている気さえする。
それだけではなく、自民、公明、国民の生活、共産、社民等以外の野党を除く勢力を結集出来ても、来るべき選挙の結果で総理候補を立てて政権奪取を目論める地位を占められるか否かは、疑問ではないかと感じるのだが。
まさか、80歳で単なる一野党の党首になるために国政に復帰する気ではないだろう。そうではないのだったら、確固たる準備が完了し何等かの成算があってことかと思いたいのだが、みんなの党の渡辺喜美等がアジェンダに拘っているのを聞けば、これから結集に向かう気なのかなとつい考えてしまう。
彼が都知事になった後の発言を聞いていると、所謂スタッフ陣が非常に良く整備されていて、広範囲に正確で精密な情報を集めていると思わせられた。今回はそういう面の準備は整えてあるのだろうか、猪瀬副知事のような補佐役がいるのだろうかと疑いたくなる。(頂門の一針)
杜父魚文庫

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