臨時国会が開かれて野田首相の所信表明演説がある日だというのに、朝から民主党の衆院議員の二人が離党するという噂が永田町を駆け巡っている。
二人離党が九人離党なら政局に激震が走るが、まだ大騒ぎしても始まらない・・・というのが私の率直な感想である。杜父魚ブログを主宰するようになってから、私の政局観がかなり変わったと実感している。
目先の出来事に興味を駆られて、聞き耳を立て、電話やメールで情報をとることがなくなった。
それよりも今朝の毎日新聞の社説の方に興味がある。杜父魚ブログで日本の代表的な論者の論評を読み、文庫に収録する毎日だから、一過性の出来事に興味が薄れるのは仕方ない。
といって一過性の出来事をまったく無視しているわけではない。この出来事が近い将来に広がりをみせるか、どうかについて考え、先見性がある予測情報を書くように努めている。一過性の出来事に振り回されることだけは避けたい。
前置きが長くなったが、いま衆院選挙があれば、民主党の大敗が避けられないというのは大方の予測するところだ。当の民主党にその自覚があるから野田氏以下の民主党議員は、解散を先延ばしすることに懸命になっている。
だが、大敗の規模がどの程度になるか、各党は自前の調査を行い、メデイアも予測に努めているが、早い話が100議席を割る凋落になるか、辛うじて120議席にとどまるか意見が分かれる。
大方がみるところ民主党は現有議席の三分の二が落選予備軍、選挙の強い三分の一が生き残るというが、これも確たる数字ではない。三分の二が落選するというのは一六〇人の民主党議員が国会に戻ってこれないことになる。生き残るのは八〇人。
こんな予測が面白おかしく週刊誌の紙面で賑々しく流れるから、落選予備軍は浮き足だっている。といって離党しても展望があるわけでない。塹壕の中で首をすくめて、頭上で弾丸が飛び交う様をみているのが正直なところであろう。
話題となった第三極の結集だが、これも実態以上に喧伝されているきらいが拭えない。橋本維新の会は一〇〇人規模の当選者を出すといわれたが、まだ各選挙区の公認候補の名前すら公表されていない。石原新党にいたっては、早くも五人程度しか当選しないという悪意?ある予測が週刊誌を賑わしている。
二〇一〇年参院選で10議席を獲得したみんなの党は、三人の参院議員が離党し、橋下維新の会に参加している。次の衆院選に一〇〇人以上の候補者を立てるというが、参院選でみせた勢いが続くだろうか。石原新党は数十人規模の候補者を擁立するが、みんなの党との選挙区調整は、これからである。
第三極は各党の選挙区調整がつかないまま乱立、共倒れの危険性すらある。
こうみると、野田首相は第三極の選挙区調整がつかない隙を狙って、一二月解散・来年一月選挙の挙に出る公算がなくもない。選挙で敗北しても、自民・民主・公明三党の連合政権を模索する動きである。
杜父魚文庫
10859 民主党議員の二人が離党の噂 古澤襄

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