かつては衆院で三百余の圧倒的な議席を誇った民主党だが、いまでは二百四十余、あと六議員の離党が出れば過半数を失う。民主党の内部崩壊が予想を上回る早さで進行している。
野田首相ら民主党執行部は、野党の攻勢よりも、離党の動きに歯止めがかからない党内対策に追われている。二十九日夜、急遽、総理大臣公邸に当選1回の衆議院議員らおよそ20人を招いた会合で野田首相は党の結束を訴えた。
野田首相は、来月下旬にかけて、こうした会合を重ねる。民主党執行部は30日、両院議員総会を開くなどして党の結束固めに努める。
だが「野田首相の下では選挙は戦えない」という認識が、党内に広がりをみせている。それが年内選挙を嫌う”大合唱”となっている。
<民主党執行部は、29日、新たに衆議院議員2人が離党届を提出したことから、党の結束固めに努めることにしていますが、党内では、「さらに離党の動きが広がるのではないか」という見方もあり、執行部は危機感を強めています。
民主党執行部は、離党の動きに歯止めがかからない状況が続いていたことから、幹部が若手の衆議院議員と個別に会談するなどして結束を呼びかけてきました。
しかし、29日、新たに熊田篤嗣衆議院議員と水野智彦衆議院議員の2人が離党届を提出しました。
衆議院鹿児島3区の補欠選挙で自民党の候補者が当選したことで、民主党を離れる議員がさらに6人出れば、与党は衆議院で過半数を失い、7人で内閣不信任決議案を否決できない事態に陥ることになります。
こうしたなか、野田総理大臣は29日夜、総理大臣公邸に当選1回の衆議院議員らおよそ20人を招いた会合で、「緊迫した状況だ。結束して1つずつ課題を乗り越えていくために、力を貸してほしい」と呼びかけました。
野田総理大臣は、来月下旬にかけて、こうした会合を重ねることにしているほか、民主党執行部は30日、両院議員総会を開くなどして党の結束固めに努めることにしています。
ただ、党内には、29日の2人のほかにも離党を検討している議員がいるとみられています。
このため、「東京都の石原知事が結成する新党などいわゆる第3極が勢いづいており、さらに離党の動きが広がるのではないか」という見方や、「今の民主党には遠心力が働いていて、挙党態勢を再構築できる状況にはない」などという意見も出ており、執行部は危機感を強めています。(NHK)>
杜父魚文庫
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