自民党の安倍総裁が、国民生活に影響がある特例公債法案の審議入りを、容認する考えを表明したことで、前原誠司経済財政担当相は2日、閣議後の会見で、「政局を超えた判断を高く評価する」と述べた。英ロイターが伝えている。
前原氏は衆院解散時期をめぐって、野田首相が言及した「近いうち」とは、”年内”との考えを変えていない。
<[東京 2日 ロイター]前原誠司経済財政担当相は2日、閣議後の会見で、自民党などが特例公債法案の審議に応じる姿勢に転換したことを受け、政局を超えた判断を高く評価すると述べた。衆院解散時期をめぐって「『近いうち』とは年内だろう」とした自身の見方に変わりはないとしたが、解散権は野田佳彦首相にあると述べ、野党の方針転換と解散時期の関についての明言は避けた。
安倍晋三自民党総裁は1日の会見で「特例公債法案も含め、各委員会での審議に応じていく」と述べ、特例公債法案の審議入りを容認する考えを表明した。方針転換に対して前原担当相は「野党が特例公債法案の審議に前向きに応じてもらえることは大変ありがたい。政局を超えた国益の観点からの判断を高く評価する」と歓迎した。
さらに「(特例公債法案が未成立の状態への)マーケットの不安、日本の国債市場への評価の見直しについて、マイナス要因が払しょくされることを期待する」と述べ、同法案の早期成立で予算執行が円滑に進み日本経済にプラスになることを期待した。
衆院解散時期をめぐって、野田佳彦首相が言及した「近いうち」とは年内だろうとした見方に変わりはないかとの質問には「以前述べた私の考え方は変わっていない」としたが、衆院解散時期を決めるのは野田首相だと繰り返した。
<今冬の電力需給対策決定、北海道電力管内での計画停電回避に重層対応>
政府は午前に開いた電力需給に関する検討会合とエネルギー・環境会議の合同会議で、今冬の電力需給対策を決定した。全国(沖縄電力管内を除く)については、数値目標伴わない一般的節電を要請する。期間は12月3日から来年3月29日までの平日。北海道電力管内については、計画停電を含む停電を回避するため、7%以上の数値目標付き節電を要請する。期間は12月10日から来年3月8日までの平日。
前原担当相は「厳寒の北海道で計画停電を行うことは、道民の生活・命にかかわる深刻な事態を招きかねない」とし、計画停電回避のために重層的な対応を検討していく方針も表明。「仮に火力発電所などが停止する緊急事態に陥った時には、大口需要家に対して電力の買い取りをあらかじめしておき、電力を融通してもうらうような、二重三重の備えをするなかで対応していきたい。計画停電を回避するために、幾重にも重層的な対応策を考えている」と語った。
<「不動産・インフラ投資市場活性化方策」有識者会議、今夕に初会合>
前原誠司経済財政相の肝いりで設置された「不動産・インフラ投資市場活性化方策に関する有識者会議」の初会合が今夕開催される。1)REITなどの不動産市場拡大と国際化、2)インフラ投資におけるPPP/PFIファンド市場拡大、3)これらを含めた投資市場活性化を通じた包括的な成長戦略──などが検討課題に挙がっている。
デフレ脱却への意義について前原担当相は「物価が上昇に転じてそれが逆戻りしない見通しがつく。これがデフレ脱却の簡単な定義だ。
そのためには、基本的には実体経済がよくならなければならない。
日本には4つの制約要因があり、人口減少、少子高齢化、莫大な財政赤字、長引くデフレこの4つの制約要因を克服するために何が必要かといえば、1500兆円の民間資金をどうやってうまく(これまで)税金や借金で行っていたもに代替していくかということと、民間資金が入ってこれなかった分野に入れるようなマーケットを作り、日本経済の活性化にどうつなげるかが大事だ」と説明した。(ロイター)>
杜父魚文庫
10894 前原経財相 野党の政局超えた判断を高く評価 古澤襄

コメント