10921 田中文科相の大学新設不認可決定に波紋  古澤襄

いまのところ「真紀子がまたやらかした」程度の反響でしかないが、彼女を重要閣僚に任命した野田首相の人事不手際が徐々に政権の傷を広げる気配が濃厚となっている。
田中文科相が唐突に打ち出した大学新設不認可の決定に、三大学は、国に撤回を求めていくことが明らかとなった。
FNNは「田中文科相のちゃぶ台返しによって、議論が巻き起こった大学の新規設置。はたして、田中文科相の描く教育の姿は実現されるのか」とやんわりだが、批判を加えている。
<田中文科相が唐突に打ち出した大学新設不認可の決定に、週が明けても抗議の声は強まる一方となっています。
不認可の決定を受けた3大学は、国に撤回を求めていくことを明らかにしました。
大学は量より質と主張する大臣に、認可の答申を出した審議会委員は何を語るのか、緊急直撃しました。
静岡市の中心部にそびえる工事中の建物は、2013年4月に新たにスタートする常葉大学の新しい校舎だった。
この校舎に入るのは、新たに設置される法学部と健康科学部。しかし、文部科学省からの設置認可が遅れたため、影響が出ている。
常葉大学設立準備室入学センター課長は「法学部と健康科学部は、11月18日には推薦入試はやれないという状況になりましたので、延期をすると」と話した。
10月末に結果がわかる前提で設定した入試の日程だが、その前提が崩れたため、試験を3週間延期することになった。
常葉大学設立準備室入学センター課長は「(10月末に認可が下りない)その場合には、延期をするというようなことを事前に決めていたので、それに従って粛々と、それを実行したというような状況です」と話した。
慌ただしく日程の変更をすることになったが、それで済んだのも想定内の認可の遅れだったため。
想定外の不認可を言い渡された学校をめぐっては。
愛知県の大村秀章知事は「わたしは、間違いなく裁量権の逸脱だと。断固これはですね、撤回をしてもらわないといけない」と述べた。
秋田市の穂積 志市長は「この問題については、私としては誠に理不尽であり、そして乱暴である」と語った。
吉田学園の吉田松雄理事長は「今回の不認可決定は到底、承服できることではありません」と話した。
田中文科相のひと言で始まった大学の不認可問題。
田中文科相は「今後の大学設置の認可のありようについて、将来のために全体的にですね、抜本的な見直しをするということを決めました」と述べていた。
週をまたいでも怒りの収まることのない、3大学の関係者。
その3つの大学とは、愛知県の岡崎女子大学、北海道の札幌保健医療大学、そして秋田公立美術工芸短期大学から移行する予定の秋田公立美術大学。
4年制に編入するつもりだった学生に話を聞いた。
秋田公立美術工芸短期大学2年・内山歩美さんは「みんな『就職しよう』みたいなことを言っている中で、自分は進学、秋田美術大学に進学しようって、すごく決めていたので」と話した。
進学を目指していたため、ここまで就職活動をしていないまま、来春卒業することになる。
秋田公立美術工芸短期大学2年・内山歩美さんは「上の人が言うたったひと言で人生が狂うっていう人も、大げさですけれどもいることも、少しは頭に入れてほしいかなって考えています。目指していたものがなくなっちゃったんで、ちょっとどうしようかなって」と話した。
秋田市は5日、緊急会議を開き、不認可撤回のために法的手段も検討していることを明らかにした。
秋田市の石井周悦副市長は「顧問弁護士と相談していますけれども、行政不服審査の対象になるのではないかなということで、準備を進めております」と語った。
札幌保健医療大学を設立予定の学校法人は、7日にも3校の関係者が文科省を訪れ、田中文科相に不認可の撤回を求める予定だと明らかにした。
こうした動きに、田中文科相には「不認可の大学から、抗議の声が上がっていますが?」と質問が飛んだが、無言だった。
審議会の判断が大臣に覆されるという、異例の事態となった今回の問題。
審議会の委員を務めるジャーナリストの柴崎信三氏に聞いた。
柴崎氏は「これはまあ、審査をする立場からすれば、非常に合理性を欠いた判断っていうふうに受け止めざるを得ない」と話した。
柴崎氏は、今回の3大学のケースでは、審査内容に問題があったのではなく、田中文科相が自分の考えを示すために不認可にしたと指摘した。
田中文科相が、これからは大学の数ではなく、教育の質が重要と発言したことについて、柴崎氏は「大学の教育研究の中身を、どういうふうにもっとレベルアップしていくかと。その結果、大学が絞り込まれていくということであれば、それは非常に結構なことだと思うんですけれども、つぶすことでね、質が担保されるか、これはあり得ないというふうに思うんですね」と話した。
一方、審議会のメンバーに大学関係者が多く、審査内容が甘いのではという質問に、柴崎氏は「割合がどうかっていう議論は、おそらくたぶんあるでしょうと思うんです。もうちょっと産業界とかですね、ほかの分野の人を増やすとかですね、そういう議論は当然あり得るとは思いますけれども」と話した。
田中文科相のちゃぶ台返しによって、議論が巻き起こった大学の新規設置。はたして、田中文科相の描く教育の姿は実現されるのか。(FNN)>
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