首相の年内解散方針に民主党内から「反対」大合唱が始まった。産経新聞は「自分たちが選んだリーダーが何か大方針を掲げようとすると、必ず足を引っ張り、”決めさせない政治”を強いる」と民主党の体質を批判している。
自分たちの当選だけが大事で、国の将来や国民の願いは二の次という恐るべき体質の民主党員。それを党の総意だと野田首相に迫る輿石幹事長。こういう政党に三年間も政権を委ねたのだから、国民はたまらない。まさに税金の無駄使いだといえよう。
<こんな光景を何度見せられてきただろう。野田佳彦首相が年内の衆院解散・総選挙を視野に入れ始めた途端、民主党内で「解散反対」の大合唱が始まった。
自分たちが選んだリーダーが何か大方針を掲げようとすると、必ず足を引っ張り、「決めさせない政治」を強いる。消費税増税や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の議論でも繰り返された民主党のバラバラ体質は、政権奪取から3年以上が経過しても、何一つ変わらない。
「『解散反対』が党常任幹事会の総意です」
13日夕、国会内の院内大臣室。首相と向き合った輿石東幹事長は、直前まで行っていた党の意思決定機関の結論を淡々と告げた。
確かに常任幹事会は「解散反対」一色だった。赤松広隆副代表は「なぜTPPが(衆院選の争点として)唐突に出てきたのか。これ以上離党者が出て選挙ができるのか」と声を荒らげ、鹿野道彦副代表も「今は危局だ」と叫んだ。中山義活元経済産業政務官にいたっては「首相が自ら身を引くことも含めて、もう一度踏ん張る力を結集しなければならない」と、公然と“野田降ろし”を宣言した。
現職の閣僚も首相を支えようとしない。
13日の閣僚懇談会では、小平忠正国家公安委員長がTPPについて「大きな交渉なので、慎重に議論を尽くさないと大きな禍根を残す」と発言、TPP参加を次期衆院選の争点に掲げようとする首相を強く牽(けん)制(せい)した。
慌てて、藤村修官房長官が「(衆院解散は)首相の専権事項だから軽々な発言は慎むように」とたしなめたが、民主党政権にあっては、政府の意思決定機関ですら“学級崩壊”に近い状態だ。
そもそも首相が年内選挙を模索するのは、「いっそ『日本維新の会』など第三極の態勢が整わないうちに…」という計算が働いているのは間違いない。
維新の橋下徹代表が13日、「相手が一番弱く、自分たちが一番強いときに戦の時期を定めるのは大将として当然」と見透かした通りだ。解散反対派にしても、さっさとお役御免になるのは避けたいのが本音。解散に賛成だろうが反対だろうが、「延命」という発想は一緒だ。
それでも、早期解散という首相の方針をよってたかって阻止しようとする姿は、消費税増税をめぐって党内が紛糾し、党分裂に至った光景と重なる。
消費税増税もTPPも、共通するのは平成21年衆院選マニフェストに明記していないという点だ。特に菅直人政権以降、官邸サイドとマニフェスト順守派との溝は、「国民の生活が第一」の小沢一郎代表が抜けてもなお埋まることがない。
輿石氏は13日夜の赤松氏のパーティーで、かつて「ドジョウは金魚のまねはできない」と演説した首相を意識して、こう述べた。
「ドジョウは泥水の中でも生きていける。金魚は水槽から飛び出せば、死んでしまう」
首相が解散に踏み切れば民主党は「泥水」に突き落とされ、金魚のような若手議員は間違いなく落選する-。そんな警告だった。(産経)>
杜父魚文庫
10990 民主「決めさせない政治」の真骨頂 古澤襄

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