16日に解散となれば、二度と国会に戻ってこれない議員たちが右往左往した国会風景。政権与党の座であぐらをかいていた議員たちのなれの果て。自業自得であろう。
<14日午後、国会内 緊張感の張り詰めた会場に、野太い声が響き渡った。「16日に解散をしてもいい」。
党首討論で14日、衆院解散を表明した野田佳彦首相。民主党幹部が反対一色の中、国会答弁をその場に選んだ。顔は紅潮し、目を潤ませた表情には悲壮感すら漂わせ、見守る議員らは息をのんだ。
午後3時から始まった党首討論。衆院第1委員室は、冒頭から緊迫した雰囲気に包まれた。対峙(たいじ)する野田首相と自民党の安倍晋三総裁を見守る与野党議員も一様に表情が硬い。
「近いうち」とした解散時期をめぐり、2人の応酬が続く中、野田首相は通知表を父親に見せた幼少時のエピソードを唐突に披露した。
成績は下がったが、講評欄に「野田君は正直の上にばかがつく」と書いてあったという。「それを見ておやじは喜んでくれた。だから、うそをつくつもりはありません」。解散時期について「この討論の中で明らかにしたい」と続け、衆院定数削減などで安倍総裁に協力を求めた。
民主党の政治姿勢をただす安倍総裁に対し、野田首相は右手で何度も手刀を切り、「国民の皆さんの前に約束をしてほしい」と畳み掛けた。
「定数削減は来年の通常国会で必ずやり遂げる。ご決断をいただくならば、今週末の16日に解散をしてもいい」。まばたきを繰り返す目は赤くなり、声を震わせながら迫ると、静まり返った会場からは「おおー」「よしっ」と声が上がった。
異例となる国会答弁での解散表明に、安倍総裁も大きな身ぶりで応えた。「どちらが政権を担うのにふさわしいか、選挙戦で相まみえることを楽しみにしています」(時事)
11001 党首討論を終え、拍手を受ける野田首相 古沢襄

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