11043 アフガニスタンで石油を掘っていたら古代都市がでてきた  宮崎正弘

中国石油天然気集団(ペトロチャイナの親会社)が30億ドル損失。アフガニスタンで石油、鉱物資源を採掘しているのは中国である。
アフガニスタンで血を流し大量の戦死者を出したのは米欧である。中国が採掘している銅鉱山を守っているのは米軍が訓練し、日本が給料を支払っているアフガニスタン政府軍と警察である。
中国石油天然気集団(CNPC)は、アムダリア盆地のファルヤナ県付近で、日量1950バーレル(年換算で150万バーレル)の石油をすでに採掘している。
このサイトには8700万バーレルの埋蔵が確認されている。中国石油天然気集団はアフガニスタンのカルザイ政権と25年契約を取り交わしている。
世界有数の銅山として有名なアイナク鉱山ではすでに中国企業が採掘作業を進めていて、米欧は「我々がアルカィーダと闘っているのに、一滴の血も流さず中国は利権だけをおさえている」と憤懣やるかたなかった。
中国は米国オバマ政権のアジア重視外交への転換を横目に眺めつつ、ウズベキスタン、キルギス、トルクメニスタン、カザフスタン、タジキスタンを「上海協力機構」に引っ張り込んで中央アジアに接近し、さらにはアフガニスタン重視の外交に傾いた。
「両国関係はきわめて重要」とするカルザイは何回か北京を訪問しているが、九月に周永康(前政治局常務委員、序列九位)がカブールを訪問している。政治局常務委員のアフガニスタン訪問は1966年以来のことだったのである。
さて中国冶金科工集団はアフガニスタンのメスヤンヤクで銅鉱山を掘り当て、1000億ドルを投資して銅を掘り尽くす予定だった。
ところが試掘の最中に地中からシルクロードの古代都市が発掘され、考古学者が一斉に採掘中断をもとめた。
すくなくとも古代都市遺跡を先に発掘しおわるまで、銅鉱山の採掘は延期すると決定されたため同冶金集団は、およそ30億ドルの損失を出した(アジアタイムズ、11月20日)。
杜父魚文庫

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