ニューヨークタイムズが温家宝一族の「蓄財」解剖第二弾。地に落ちた改革政治家。あの「民主化」イメージは作り話だったのか?
異様な執拗さでニューヨークタイムズは温家宝一族の不適切な「蓄財」の解剖をやっている。
2012年11月25日付けの紙面は、その第二弾を大きく飾った。在米華字紙に転載され、香港、台湾のマスメディアも伝えているが、中国国内では一切報道が伏せられている。
1994年、平安保険の大株主はモルガンスタンレーとゴールドマンサックスだった。1999年当時、平安保険の董事長は馬明哲だった。馬はその後同社のCEOを兼ねた。
温家宝は副首相(当時の首相は朱容基)、そして人民銀行総裁は戴相龍だった。おりからアジア通貨危機によって平安保険は経営危機に直面した。
平安保険は中国第二の生保で、その資産規模は巨大、500億ドルと見積もられるが、 米国企業のAIG、プルーデンシャル保険、メトロポリタン保険などの大株主にもなっていた。
温家宝の母親名義のホールディング会社「泰鴻投資公司」は、平安保険の株主でもあり、2004年までに温一族は、保有株式を四倍に増やしていた。
平安保険が07年に香港で上場する直前まで、温一族が保有した株価の時価総額は37億米ドルに躍進していた。他方、中国で証券監査委員会はあっても、保険企業を監督監査する官庁と法律は泥縄式に遅れて制定された。
ようやく株主規制や、投資規制が整うのは2001年だ。したがって温家宝一族の平安保険をめぐる面妖な株取引、株式取得は法律制定以前という灰色ゾーンにあり、合法と強がれば、査察の対象からははずれるだろう。
しかし温家宝首相は言った。「(退任してゆく)私のことは忘れてください」と。
杜父魚文庫
11082 米紙 温家宝一族の不適切な「蓄財」の解剖 宮崎正弘
宮崎正弘
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