11119 長女は古澤元の生き写し  古澤襄

「一昨日、15センチも積もる猛吹雪だった」と菩提寺の全英和尚は言う。12月1日の西和賀の空は雲ひとつない晴天。だが手が凍える寒さの中で、ご先祖様の納骨の儀式が行われた。私の手で江戸時代からのご先祖様の骨を、新しい墓の納骨室に納める。
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それが終わると長女の夫妻が、墓所の四隅のたすきがけで、まず塩を撒き、ついで米を撒く。曹洞宗の儀式である。
和尚が長女のことを、「横顔が祖父の古澤元の生き写しだな」と言った。それは私も感じていたが、和尚に言われるとあらためて”隔世遺伝”の不思議さに打たれた。
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私はどちらかというと、母方の顔をしている。男の子は母親に似るという。母の弟とそっくりと言われた覚えがある。女の子は父親に似るとよくいうが、長女の顔は”隔世遺伝”で古澤元そっくり。
土門拳が撮影した古澤元の横顔は、東北の芥川といわれた風貌を残している。

その夜は全英和尚、高橋繁前西和賀町長、高橋定信前副町長と私や長女の夫妻の六人で納骨の儀式が終わった祝いの酒を心ゆくまで飲んだ。私の生涯の大きな勤めが終わった感じ。その夜はぐっすり寝ることが出来た。
杜父魚文庫

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