11140 日米イージス艦10隻が日本海などに展開   古澤襄

韓国の朝鮮日報は北朝鮮平安北道東倉里のミサイル発射場で「銀河3号」ロケットが、5日にも1・2・3段目の装着を終えると報じた。来週初めか半ばにロケットを発射する可能性があるという。
韓国軍は「銀河3号」探知に最近イスラエルから導入した弾道ミサイル早期警戒レーダー「スーパー・グリーンパイン・レーダー」(最大探知距離800キロ)を使用する。
また日米両国のイージス艦10隻が、韓半島周辺海域に展開、北朝鮮ミサイルの追跡に当たるという。
<北朝鮮が、今月10日から22日までの間に発射すると予告した「銀河3号」ロケットについて、1段目の上に2段目の装着を終え、3段目も組み立てていることが4日までに分かった。
韓国政府の関係者は4日「ロケットの2段目を積んだトレーラーが、平安北道東倉里のミサイル発射場にある大型発射台近くに停車し、荷台を空にして去っていった。発射台には幕で覆われていて正確には確認できていないが、ロケット2段目の組み立てが終わったものとみられる」と語った。
またこの関係者は「現在、ロケット3段目を組み立てていると推定され、5日には1・2・3段目の組み立てが完了するようだ」と語った。韓国軍消息筋は「北朝鮮の発射準備は予想より速く進んでおり、来週初めか半ばにロケットを発射する可能性もある」と語った。
■銀河3号が失敗した理由
北朝鮮が現在組み立てている「銀河3号」は、今年4月に失敗したロケットと同じ型とみられている。共同通信が4日に報じたところによると、今年4月に発射された銀河3号について、日米の当局は「発射直後からロケットの姿勢制御に問題が生じて予定軌道の東方向に逸脱、2段目も点火せず完全な失敗に終わった」と結論付けた。
日米は、銀河3号の1段目にある4基のエンジンが、燃焼速度がずれるなどの理由で正確に連動しなかったことが、姿勢制御に失敗した原因だと考えた。ロケットの1段目は、北朝鮮のノドン・ミサイルのロケットエンジンを4本束ねた形になっている。
また北朝鮮は、ロケット発射時の観測を担当する技術者を中国に派遣したといわれている。これらの技術者は、携帯用の観測装置を利用し、北朝鮮からでは把握が困難な銀河3号の軌道を追跡するものとみられる。
今回の発射が成功するかどうかについては、専門家の意見も分かれている。大半の科学者・技術者や情報関係者は、北朝鮮がイランなど海外の技術を導入して問題点を解決し、成功する可能性がかなり高いとみている。これに対し北朝鮮に詳しい専門家は、また失敗する可能性も少なからずあるとの見方を示している。
ロケットの専門家の権容守(クォン・ヨンス)国防大学教授は「エンジン自体の性能ではなく、制御の問題なので、北朝鮮の技術力を考慮すると(問題点を)解決できたのではないかと思う」と語った。

■弾道ミサイル早期警戒レーダーを初めて投入
韓国軍は今回、北朝鮮のロケットを探知するため、最近イスラエルから導入した弾道ミサイル早期警戒レーダー「スーパー・グリーンパイン・レーダー」(最大探知距離800キロ)を使用するという。韓国軍消息筋は「韓国に搬入されたグリーンパイン・レーダー2基のうち1基が、5日に最終受諾検査を終える予定で、北朝鮮の長距離ミサイルの追跡に投入する予定」と語った。また韓国軍は、6日以降イージス駆逐艦「世宗大王」と「西ガイ柳成竜(ガイはがんだれに圭)」の2隻を西海(黄海)に派遣、ロケットの軌道を追跡する予定だ。
米国と日本も、イージス艦計10隻(日本3隻、米国7隻)を韓半島(朝鮮半島)および日本近海に展開するのをはじめ、偵察衛星、RC135S「コブラボール」偵察機、海上配備Xバンドレーダー(SBX)など各種の監視用装備を総動員し、北朝鮮のミサイルの追跡に当たるという。中国とロシアも、今年4月と同様に情報収集艦や偵察機を西海や南海(東シナ海)に派遣すると予想されている。
(朝鮮日報)>
 
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