さて、選挙期間中であり、いろいろと面倒なのでどうしようかと思いましたが、国民の生命・財産を守るべき政府高官の言葉としてやはり看過できないので、藤村修官房長官の北朝鮮のミサイル「さっさと上げて」発言について取り上げます。
藤村氏はこの大阪府吹田市で記者団に語った自身の発言について「舌足らずで誤解が生じているとすれば訂正、おわぴしたい」と述べ、野田佳彦首相は「言葉足らずのことがあり、(藤村氏は)おわびし訂正している」とかばいました。
「舌足らず」「言葉足らず」という表現から、彼らが「真意を十分伝えきれなかった」と言い訳したいのが分かります。確かに、人間誰しも言いたいことをきちんと語れなかったり、言い間違えたりすることはあります。それは理解できますが、それでは藤村氏の場合もそうだったと言えるでしょうか。
気になったので、藤村氏の発言の関連部分を確認してみました。以下がそれですが、これを読むと、「舌足らず」でも「言葉足らず」でも「誤解」でもなく、藤村氏はきちんと言いたいことを言っているではないですか。真意は「さっさと上げて」にほかなりません。
《記者:残りの期間、東京でどのように戦う。
藤村氏:東京でできることは。地域地元の主要なみなさんと言うのか、核になるようなみなさんに、本人が直接電話し始めています。そういう私の声で、本当にこのなかなか厳しい選挙ですということを、今電話始めました。まだ、大分時間、東京からできることは電話作戦かなと。
記者:地元入りは今日が最後になるのか。
藤村氏:要は、北のミサイルがいつ上がるかですわ。さっさと月曜日に上げてくれるといいんですけどね。
記者:地元の事務所は頑張っていた。
藤村氏:もう私が帰れない分、特に地元の支援者、事務所、本当に負担をかけているなあということは分かりますが、しかし、20年来同志で一丸となってやってきた仲間ですから、これは、歯を食いしばってお互い頑張っている。
記者:投票までにまた選挙区に入りたいという気持ちは。
藤村氏:さっき申し上げたように、北のミサイル次第です。それは入りたいに決まっているじゃないですか。》
……選挙区に入るため、北朝鮮にミサイルを早く発射してほしいという真意がきちんと、二度にわたり表明されています。誤解のしようがありません。弾道ミサイル発射が国民に与える脅威や損害を、真面目に考えていないことがうかがえます。それなのに、野田氏も藤村氏も姑息な誤魔化しで国民などいくらでも騙せると考えているわけですね。
「自分の選挙が第一」だという真意は隠しようがありません。しっかし、野田氏もその周辺も、もはや完全にメッキがはがれたという印象ですね。まあ、「近いうち」に国民の審判が下るわけですが……。
杜父魚文庫
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