北朝鮮が打ち上げようとしている事実上の長距離弾道ミサイルの射程距離は一万キロといわれる。その距離はアメリカ西海岸にまで届くから、米国は過去にない関心をもって北朝鮮ミサイルの性能情報を集めようとしている。
日本のメデイアの関心は沖縄県の普天間飛行場に配備された「垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ」に集まっているが、ここはむしろ米軍嘉手納基地に注目すべきではないか。私の予測では米空軍の最高機密となっている弾道ミサイル追跡機・RC135S(通称コブラボール)がすでに飛来しているのではないかと思う。
最新鋭機のRC135Sは米国には三機しかない。それが全機、米軍嘉手納基地に投入されたとさえ思える。米空軍の機密保持が厳重なため目視されにくい夜間に飛来した可能性がある。
サヨ・メデイアは日本や韓国が北ミサイル発射に大騒ぎしていると批判し、米国はそれほど熱くなっていないと評しているが、実態は日本以上に米国が真剣に対応している。
ありていに言えば、射程距離一万キロの北長距離弾道ミサイルは日本にとって脅威ではない。射程1300~1500キロの中距離弾道弾ノドン・ミサイルこそが日本にとって脅威である。北朝鮮は日本全土を射程に収めた中距離弾道ミサイルを150~320基をすでに実戦配備している。また中国も日本を射程に収める中距離弾道ミサイルDF21を東北地方(満州)に24基配備している。
中朝の中距離弾道ミサイルの配備数からみて、北朝鮮の中距離弾道ミサイルがいかに突出しているかが分かる。しかし日本だけに照準を合わせたノドン・ミサイルの性能情報はまだ不十分と言わねばならぬ。迎撃するにしてもイスラエルのようなミサイル防衛網はとれないでいる。
ミサイル防衛で米国の力点は北長距離弾道ミサイルを打ち落とすことにある。北中距離弾道ミサイルの防衛は日本が主体となって当たらねばならぬ。北長距離弾道ミサイルが飛翔中に爆発事故を起こし、破片が石垣島などに落ちる懸念がいわれているが、ことの本質はノドン・ミサイルの脅威からいかにして日本を護るかにあることを忘れてはならない。
杜父魚文庫
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