11188 こんどは沿線住民が「新幹線建設反対」の抗議デモ   宮崎正弘

高速鉄道建設は、もはや中国国民からは歓迎されていないようだ。2014年完成を目指して北京―瀋陽間の新幹線プロジェクトだが、思わぬ伏兵に遭遇した。
通過予定ルートに住む沿線住民が「騒音対策がなっていない」「立ち退き補償が少なすぎる」「新幹線建設そのものに反対」「鉄道部は賄賂の温床」などと騒ぎだしたのだ。
反対の抗議活動や集会は北京市内で断続的に行われている。
工事前の最後の調査段階で、立ち退き予定の沿線住民が騒ぎ出し、11月29日に北京市役所を住民が集団で訪問し反対書を手渡し、横断幕を掲げた。
新幹線が通過する予定の北四環状線にはレールに沿って左右に二、三十メートル幅で立ち退きが計画されており、マンションなどが取り壊される。
また200から300メートル以内にある保育園、小学校、病院などが立ち退き予定。このため沿線の住民とのにらみ合いは12月12日にも北京市内で続いた。
北京―瀋陽をつなぐ新幹線は「京瀋高速」と呼ばれ、全長700キロ。最高時速350キロ、二時間弱でつなげる予定で途中、承徳、阜新、遼寧省朝暘、錦州などを通過する。防音対策など補償予算は僅か130億円程度という。
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