情報鎖国の北朝鮮だから、事前に北朝鮮ミサイルの発射を予知するのは困難を極める。しかし日本に照準を定めているノドン・ミサイルの脅威に曝されている日本にとっては、予知できなかったでは済まされない。
長距離ミサイルを発射したことで日米韓三国は北朝鮮に対するさらなる厳しい経済制裁を課すことになろう。これに反発する北朝鮮は、日本を敵国とみなしてノドン・ミサイルによる威嚇を強めるに違いない。
テポドン・ミサイルより低空を飛ぶノドン・ミサイルは発射後十数分で日本列島に着弾する。これに対して日本のミサイル防衛システムは、海上でイージス艦が捕捉して迎撃し、撃ち漏らしたミサイルは陸上のパック3で捕捉して迎撃する。低空で飛来するミサイルの迎撃率は、イスラエルで90%以上。日本のミサイル防衛システムも同等の迎撃率なのであろう。
核弾頭をノドン・ミサイルに装填する技術力はまだ北朝鮮は持っていない。だからといって安心はできない。日本の原発のほとんどが操業を停止しているが、核燃料が完全になくなるまでは四十年がかかる。
核弾頭を装填しないノドン・ミサイルを操業停止している原発施設に落とせば、日本各地で放射能被害が広がる。
もうひとつ懸念がある。今度の北朝鮮ミサイルは気温がマイナス50度の成層圏を通過している。もしこの技術をノドン・ミサイルに付加すれば、成層圏から落下し、加速度をつけたノドン・ミサイルは比較にならないスピードで日本を襲うから、現在のミサイル防衛システムでは対処できない。
現状では200基以上あるといわれるノドン・ミサイルを成層圏まで打ち上げるには至っていない筈である。日本は米国のノドン・ミサイル対応のミサイル防衛システムを早く導入して、不測の事態に備えることが急務となった。
<【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が12日、長距離ミサイルを発射したことに関し、韓国と米国の軍・情報当局の情報判断力に深刻な問題があるという指摘が出ている。
韓米は前日、北朝鮮が平安北道・東倉里にある「西海衛星発射場」に設置されたミサイルを降ろし、組み立て棟に移動したことを捉え、すぐには発射されないと判断したためである。
両国は当時、米国の偵察衛星と韓国の衛星「アリラン3号」を通じてミサイルが発射台から分離され、修理中であることを把握したとされる。
政府当局はこのような事実がメディアを通じて報じられると、非公式にミサイルが発射台から組み立て棟に移されたことを事実上認めた。
しかし、北朝鮮の長距離ミサイル発射が12日午前9時51分に探知されると、慌てた様子をみせた。ある政府関係者は、「北朝鮮がミサイルを発射するような、差し迫った兆候を捉えることはできなかった」と述べた。
別の関係者は「1段目のミサイルのエンジンに問題があり、北朝鮮も発射期間を1週間延ばしたため、事実上、今週発射するとは判断できなかった。不意打ちにあった気分だ」と戸惑いを隠せない様子だった。
国防部と合同参謀本部も北朝鮮がミサイルを修理する動きを捉えると、前日に統合タスクフォース(TF)の責任者の階級を下げ、勤務者数を縮小した。
軍当局は北朝鮮による突然のミサイル発射を予想できなかったことを指摘されると、弁明に腐心した。
国防部関係者は「韓国軍は合同参謀本部作戦指揮室で全員待機していた」としながら、「北朝鮮が発射準備する過程を監視し、いつ発射するかについて警戒を続けていた」と話した。
また、「北朝鮮が発射を準備し始めたのは昨日からだった」とし、「(発射が)迫っていることを正確に把握するのは難しい」と強調した。
軍と情報当局の状況とは異なり、韓国のイージス艦3隻全てがミサイルの軌跡を正確に捉えたことは評価されている。
イージス艦「世宗大王」と「栗谷李珥」が黄海上空を通過したミサイルの軌跡を、「西厓柳成竜」が沖縄の西側海上を通過したミサイルの軌跡を追跡するのに成功した。
一方、軍内部からは北朝鮮が昨日、ミサイルを発射台から降ろし、組み立て棟に運んだ後、新しいミサイルを急きょ発射台に装着したのではないかという見方が出ている。
これについて軍のある関係者は、「秘密事項のため具体的に確認できない」と話した。(聯合)>
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