第三極のトップ・ランナーと目された日本維新の会が、石原慎太郎代表の地盤である東京都では全敗の危機にあると産経新聞が伝えた。圧勝がいわれた橋下徹代表代行の地盤・大阪府でも苦戦している。泣いても笑っても16日の投票日まで選挙運動は二日しかない。
<衆院選公示直前まで話題を提供してきた第三極も、「自民圧勝」の前に存在が薄れている。特に「台風の目」とみられた日本維新の会は選挙区では、石原慎太郎代表の地盤である東京都では全敗の危機、本拠地の大阪府でも苦戦している。
9日、都内を遊説した橋下徹代表代行は、党の戦況をこう紹介した。
「日本維新の会、大変苦戦している。正直言って、東京では惨敗の状況だ。国民のご判断であれば仕方がないことだけどね…」
維新が振るわないのは、選挙準備が足りなかったことが大きい。都知事だった石原氏が新党結成を表明したのが10月25日。そのわずか3週間後の11月16日に衆院解散を迎え、橋下氏の維新との合併が決まったのは同月17日だった。
みんなの党と競合する選挙区では、自民党に利する数字が出ているところもある。政策の「ぶれ」を攻撃されたことも「ふわっとした民意」をつかめずにいる一因のようだ。
大阪府では公明やみんなの党を推薦した5選挙区を除く14選挙区で擁立したが、優勢なのは7選挙区にとどまっている。
昨年11月の大阪府知事選で当選した松井一郎幹事長の票を選挙区ごとに振り分けると「17勝」となる。しかも、「大阪維新の会」の府議や大阪、堺両市議らが選挙を仕切り、東京よりも選挙態勢は整っていた。
既成政党に圧勝した「大阪ダブル選」のときのような勢いはなく、党内からは「こんなはずではなかった」との声も漏れてくる。(産経)>
杜父魚文庫
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