日本のサヨ・メデイアは韓国大統領選で投票率が70%を超えたら、野党の文在寅(ムンジェイン)候補が勝利すると単純に予測し、テレビで解説する準備をしていたという。しかも接戦を演じているので、当確判明は深夜と報じていた。
その予測が二つとも外れたので、歯切れの悪い解説をしている。韓国メデイアにも同じ傾向がみられた。
最終的な投票数の確定を待たねばならないが、首都・ソウルの投票率は50%に達しなかったといわれる。全体の投票率が75%台に乗っているので、この乖離をどう見るのか?
ここは黒田勝弘(くろだ かつひろ)さんの分析と解説に期待したい。英ロイターは与党セヌリ党の朴槿恵(パククンヘ)候補の勝利を報じ、朴氏はソウル中心部で熱狂的な支持者らに出迎えられ、「これは危機克服と景気回復を願う国民によってもたらされた勝利だ」と勝利宣言したと伝えた。
<[ソウル 19日 ロイター]19日の韓国大統領選挙は、与党セヌリ党の朴槿恵(パククンヘ)候補(60)が接戦を制し勝利した。同国で初の女性大統領の誕生となる。朴氏は分断された社会の融和に努める考えを示した。
開票率約88%の時点で、朴氏の得票率は51.6%と、民主統合党の文在寅(ムンジェイン)候補の48%を引き離した。これを受け、文氏は敗北を認めた。
朴氏はソウル中心部で熱狂的な支持者らに出迎えられ、「これは危機克服と景気回復を願う国民によってもたらされた勝利だ」と勝利宣言した。
来年2月に就任する。任期は1期限りで5年間。朴氏は、北朝鮮問題や景気底上げなど待ったなしの課題に対応していくことが求められる。
韓国の国内総生産(GDP)伸び率は、急成長を遂げた過去数十年の年平均5.5%から2%程度に鈍化。また近年は貧富の差が拡大しており、とりわけ若者層は経済問題とともに、十分な収入が保証される雇用の創出が大きな関心事だ。
また前週には、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル技術を試したとみられるロケットの発射を強行。朴氏に対しても北朝鮮に「恨み」を抱き「対立」をあおっていると非難するなど対決姿勢を強めており、景気対策とともに喫緊の課題となっている。
朴氏は北朝鮮の金正恩第1書記と交渉する意向を示しているが、支援の前提条件として核兵器プログラムの断念を求めている。
朴氏は米国との自由貿易協定(FTA)を強く支持しており、経済政策では李明博(イ・ミョンバク)大統領の自由市場政策を堅持するとみられている。
ただ、サムスン・グループSAGR.ULが韓国GDPのおよそ20%に相当する売り上げを稼ぎ出すなど、財閥への富の集中には批判も集まっており、朴氏は富をより均等に配分する意向を掲げている。
朴氏は自身の手本として、自由市場の強硬な推進論者だったサッチャー元英首相や、欧州で最有力の指導者とされるドイツのメルケル首相を挙げている。
朴氏は朝鮮戦争後の復興を指揮した朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領の娘で、母の死後はファーストレディーの役割を務めた。
ただ朴正熙氏の功績をめぐっては、保守派が最も偉大な大統領として賞賛する一方、反対派は人権を軽視し反対派を抑圧する「独裁者」と批判しており、現在でも韓国をなお二分する。
朴槿恵氏は独身で子供はいない。一生を国のために捧げるとしている。(ロイター)>
杜父魚文庫
11258 ロイターが韓国大統領選で朴槿恵候補の勝利伝える 古澤襄

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