11274 日韓関係修復へ「ウルトラC外交」の額賀特使派遣  古澤襄

野田首相の後継代表が決まらずに混迷している末期症状の民主党政権をよそに、安倍自民党総裁は首相指名のまえに早々と日韓関係の修復外交に乗り出した。
韓国大統領選での朴槿恵(パククネ)氏が当選したのを受けて、日韓議員連盟幹事長の額賀福志郎元財務相を安倍総裁の特使として21日にも韓国に派遣する。額賀氏は安倍総裁の親書を携えて、朴氏に早期の首脳会談を呼びかけるという。
また衆院選の政策集では、竹島を日本に編入した日にあたる来年2月22日に政府主催の式典実施を明記していたが、竹島問題で悪化した日韓関係の修復を重視して安倍総裁は政府式典を見送る意向だという。
矢継ぎ早やに投げる安倍外交に朴槿恵・新大統領がどう応えるのか?悪化した日韓関係の修復は二人のリーダーの肩にかかっている。
<【ソウル=加藤達也】李明博大統領の竹島上陸以降、最悪となった日韓関係の修復に向けて、自民党の安倍晋三総裁から朴槿恵次期大統領へ特使が派遣されることについて、ある日韓関係筋は「冷え切った両国関係修復のためのウルトラC(超難度)外交」と表現した。
「韓国の新政権と日本の新内閣がよく協力し、日韓関係が新たに発展する契機となることを願う」朴氏は20日午後、別所浩郎駐韓日本大使との会談でこう発言した。
選挙戦の間、左派は朴氏を「親日派、朴正煕(チョンヒ)の娘」と中傷した。「親日派」が「売国奴」と同義の韓国において、日本との急接近は政権の求心力を出はなから失いかねない冒険にも見える。
一方の自民党内にも「韓国とのつきあい方は、気をつけないとやけどをする」(中堅議員)と、慎重論があることも事実だ。しかも、自民党は「竹島の日」の行事の政府主催への格上げを公約としている。
それでも両次期指導者が関係を改善し、「未来志向の日韓関係」を目指すのは、共通の利害に直面しているからだといえる。
朴氏は20日、別所大使以外にも米国、中国、ロシアの駐韓大使と会談。いずれの会談でも、「北朝鮮による事実上の長距離弾道ミサイル発射などの朝鮮半島情勢に関する意見交換に多くの時間が割かれた」(セヌリ党関係者)。若いころ青瓦台で北朝鮮安保の重要性を目の当たりにした上、北朝鮮の謀略によって母を殺害された朴氏には「北朝鮮の脅威」は切実な問題だ。
一方、安倍氏の母方の祖父、岸信介元首相は朴氏の父である朴正煕元大統領と親交が厚かった。関係筋によると安倍氏は特使派遣を決断する前、周辺にこう話したという。
「日韓間には難しい課題が多いことは事実だが、韓国は重要な隣国だ。私も祖父のように、韓国の指導者と個人的な信頼関係を深め、発展的な外交関係を築きたい」
日本側関係筋は「両国の関係を重層的にするためには国会議員間の交流や指導政党間の信頼醸成が重要だ」と話している。(産経)>
<【東京聯合ニュース】19日に投開票が行われた韓国大統領選で当選した与党セヌリ党の朴槿恵(パク・クンヘ)候補は日本との関係について比較的柔軟な立場を示しており、悪化した韓日関係が改善に向かうかに注目が集まる。
朴氏は領土と歴史問題では強硬な立場だ。11月の記者会見では「独島は歴史的・地理的・国際法的に韓国固有の領土であり、協議対象ではない」と表明した。旧日本軍の従軍慰安婦問題についても「決して正当化できない」と強調した。
一方で韓日関係の改善にも意欲を示している。今月4日のテレビ討論では、韓日間の激しい対立に「賢明に対処する」と述べ、「過去を乗り越え未来を志向する幅広い思考が重要だ」と強調した。
ただ、総選挙での自民党圧勝を受け、同26日に発足する安倍晋三新内閣がこれに応じるかは不透明だ。
自民党は選挙公約で独島の領有権を主張する島根県が定めた2月22日の「竹島の日」を政府行事にするほか、従軍慰安婦問題について新たな研究を活用し反証・反論していく方針を示した。第二次世界大戦のA級戦犯が合祀(ごうし)されている靖国神社への参拝、旧日本軍の慰安婦への関与を認め謝罪した河野談話(1993年)の見直しにも言及している。
このため韓日関係が一層悪化するのは避けられないとの見方もある。
ただ、領土や歴史問題での対立が経済や文化、観光などに打撃を与えることを避けるため、対話の糸口を探るべきとの声も少なくない。自民党の安倍総裁が総選挙で勝つために掲げた公約であり、実際に首相となった場合の立場は異なる可能性もあるとの指摘もある。
韓日関係の行方は来年2月22日の「竹島の日」が焦点となる。同25日に朴氏が新大統領に就任するため、日本が「竹島の日」の行事を政府行事として強行した場合、両国関係のさらなる悪化は避けられない見通しだ。(聯合)>
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