11276 米紙が予見する日韓外交の不透明さ  古澤襄

米ウォール・ストリート・ジャーナルは日中韓三国のトップ・リーダーが一斉に交代する新局面を占った。知日派のマイケル・グリーン氏が予見する新局面に較べれば、平板的で予見性に乏しいが、これが米国の一般的な理解度なのであろう。
そういう日本のサヨ・メデイアも同工異曲の域をでない。
「日韓の新首脳、まずは相互に融和姿勢を表明」としているが、安部氏は中国よりも韓国に対しより現実的に対応する公算が大きいと言いながら「安倍氏は韓国が挑発したと思えば、方針を転換して対立に向かうことになろう」(静岡県立大学の小針教授)と予想している。
極端なことをいえば”予測不可能”と言っているに過ぎない。大衆芸能化している日韓メデイアが、新リーダー外交の後追いに憂き身をやつす姿は、いかにも情けない。平成の瓦版ということか!
<安倍晋三次期首相と韓国の朴槿恵次期大統領は20日、緊張の高まった両国関係の改善を図る意向を表明した。ただ、両氏の発言はとりあえず国内の支持固めを狙ったもののようで、両国間の緊張関係は続いている。
韓国では19日の大統領選で朴槿恵氏が勝利し、16日の日本の総選挙では安倍総裁率いる自民党が大勝した。11月には中国で習近平国家副主席が共産党総書記に就任し、日中韓で首脳が一斉に交代した。
この3カ国間では、過去数カ月間歴史問題や領土問題をめくって外交的な緊張が高まっていた。その一方で、3カ国は幅広い貿易・経済的な結び付きを持ち、また北朝鮮の核開発という共通の安全保障上の課題に直面しており、安定した関係を維持することがお互いの利益となっている。
北朝鮮のメディアはこれまでのところ、保守派の首脳が誕生した日韓の選挙結果については論評していないが、中国の権力移行については歓迎している。
安倍総裁は20日、朴氏の大統領選勝利について、両国が価値観や戦略的利害を共有しているとし、「朴次期大統領と緊密に意思疎通を行うことで、日韓関係をさらに深化させていきたい」とのコメントを出した。
朴氏は同日、国民向け談話で、「正しい歴史認識を基に北東アジアの和解、協力が拡大するよう努力する」と述べ、日本は第2次大戦中の従軍慰安婦問題などを正式に謝罪すべきだとの韓国側の主張に言及した。
大統領選中に朴氏陣営の外交政策顧問を務めた延世大学の李正民教授は同談話について、「朴氏は日韓関係の重要性を強調したが、同時に関係を次のレベルに引き上げるには、日本が正しい歴史認識を持つことが重要性である点を強調した」と解説。その上で、「朴氏は安倍次期政権と建設的で未来志向の関係を築きたいと思っている」と述べた。
安倍氏は、領土や歴史問題で中韓に対し強硬な発言を繰り返し、尖閣諸島の帰属をめぐり日中関係が緊張すると、民主党政権は弱腰と厳しく批判していた。
その一方、安倍氏は2006年に首相に就任した際にも対中強硬発言を繰り返していたにもかかわらず、電撃的に韓中を訪問し関係改善に動いた。

静岡県立大学の小針進国際関係学部教授は、安部氏は中国よりも韓国に対しより現実的に対応する公算が大きいとしがらも、「安倍氏は韓国が挑発したと思えば、方針を転換して対立に向かうことになろう」と予想する。
中国の習近平党総書記は就任後の過去1カ月間内向きになっており、外交政策についてはわずかしか言及せず、習氏の外交政策は依然はっきりしていない。
ただ、中国の軍事力を誇示することには努めている。習氏は12月上旬に広東省を訪問した際に南シナ海を管轄する海軍南海艦隊の駆逐艦「海口」に乗船した。中国は、領有権問題をめぐり東シナ海で日本と対立しているほか、南シナ海でベトナムやフィリピンなど周辺諸国と鋭く対立している。(ウォール・ストリート・ジャーナル)>
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