11290 東南アジア諸国は安倍政権の軍事力増強を望む   古森義久

アジアといっても、日本で語られるアジアは中国と朝鮮半島だけのようです。ところがこれら国々はアジア全体では特殊な存在です。
アジアにもいろいろあるのです。アジアには日本のとくに安倍政権による軍事力増強をまともに期待している諸国が存在します。
<右傾化ではない、日本は「真ん中」に戻っていくだけ>
東南アジア諸国は日本の軍事力増強を望んでいる
この点、グリーン氏はフィリピン外相が最近、中国の軍拡への抑止として日本が消極平和主義憲法を捨てて、「再軍備」を進めてほしいと言明したことを指摘した。フィリピンのアルバート・デルロサリオ外相はイギリスの「フィナンシャル・タイムズ」のインタビューに応じて、日本の軍備増強への明確な要望を述べたのだった。この12月9日に同紙が大きく報道した。
その上でグリーン氏が語った。
「日本がアジア全体への軍事的脅威になるという中国の主張は、他のアジア諸国は信じないでしょう。東南アジア諸国はむしろ日本の軍事力増強を望んでいます。中国の軍拡へのバランスを取るという願いからです」
グリーン氏は米国側にも言葉を向ける。
「私はオバマ政権2期目の対日政策担当者が新しくなり、韓国の一部の声などに影響され、安倍政権に対し『右傾化』への警告などを送ることを恐れています。それは大きなミスとなります。まず日本の対米信頼を崩し、日米同盟にもマイナスの影響を与えます」
グリーン氏は安倍氏が首相だった時代の米国側の動きについても論評した。
「2007年当時、米国では、いわゆる慰安婦問題を機に左派のエリートや『ニューヨーク・タイムズ』『ロサンゼルス・タイムズ』が安倍氏を“危険な右翼”として叩きました。安倍氏の政府間レベルでの戦略的な貢献を認識することなく、でした。
私たちは米国政府部内にいて、日米同盟を強化し安保面での協力を推進しようとする安倍氏の手腕やビジョンをよく理解し、高く評価していました。でも、そんな側面をまったく見ようとはしない安倍バッシングが始まったのです。米国での『安倍叩き』は、安倍氏を徹底的に憎む日本の朝日新聞の手法を一部輸入した形で行われました。その繰り返しは避けたいところです」
アメリカといっても多様である。周知のようにヘリテージ財団もグリーン氏も共和党系である。民主党のオバマ政権とは政策や認識を異にする点も多い。だがそれでも、安全保障やアジア、日本を専門とする米国の識者の間に、「日本の右傾化」という表現を意味のない不当なレッテル言葉だと見なす層が健在だという事実は、日本側でもよく知っておくべきだろう。
日本のこれからの安全保障や防衛政策を巡る議論は、そうした無意味な政治的レッテルに惑わされず、真の課題へとまっすぐに進んでいくべきである。(終わり)
杜父魚文庫

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