日本未来の党に所属する国会議員は17人(衆院9人、参院8人)、このうち15人が小沢一郎氏系の旧「国民の生活が第一」出身。残る二人の前国民新党代表の亀井静香氏も小沢氏に近い。
国会に議席を持たない嘉田由紀子代表は、24日夜の党両院議員総会で社民党を離れて未来に参加した阿部知子さんを共同代表とする案を示したが、小沢氏系の議員から猛反発を受けて結論が出なかった。
嘉田案は①小沢、亀井両氏を顧問に祭り上げ、②小沢氏系の鈴木克昌氏を幹事長・・・ことで決着を図ろうとした。しかし、小沢氏系から「小沢一郎氏の共同代表」を求める声が出て紛糾した。
嘉田氏は「人事権は代表にある」と小沢共同代表を拒否。当の小沢氏は総会に出席しなかった。党運営をめぐって嘉田氏と小沢氏の主導権争いが表面化したことになる。
<日本未来の党は24日夜、党本部で両院議員総会を開き、党役員人事について協議した。嘉田由紀子代表は、社民党を離れて未来に参加した阿部知子副代表を共同代表とする案を示したが、旧「国民の生活が第一」出身の議員から、小沢一郎氏を共同代表とするよう求める意見が続出し、結論がでなかった。嘉田氏と小沢氏の主導権争いで党運営が混迷している。
総会で嘉田氏は小沢氏と前国民新党代表の亀井静香氏を顧問とし、小沢氏に近い鈴木克昌氏を幹事長とする人事案を示した。
総会には小沢氏は出席せず、阿部氏は「小沢共同代表」を求める声に「本人不在なのにいかがなものか」と反論。嘉田氏も「人事権は代表にある」と不快感を示した。旧生活側によると「小沢氏に就任を要請する」と決議したが、嘉田氏は「受け入れられない」と拒否したという。
嘉田氏は小沢氏を要職に起用しないとしていた。未来所属の国会議員は17人(衆院9人、参院8人)で、阿部氏と亀井氏以外の15人は旧生活出身。嘉田氏は小沢氏を共同代表とすれば、小沢氏が事実上国会議員の代表となり、党の実権を奪われることを警戒しているとみられる。(毎日)>
<日本未来の党は24日夜、結党後初の両院議員総会を都内で開いた。嘉田由紀子代表は阿部知子前社民党政審会長を共同代表にするなどの人事を提案したが、小沢一郎氏に近い議員らが拒否。逆に小沢氏を共同代表とするよう提案されたが、嘉田氏は応じず、結論は持ち越された。
嘉田氏の人事案はこのほか、衆院選で落選した飯田哲也代表代行の続投と、結党時から空白だった幹事長に鈴木克昌・前国民の生活が第一国対委員長を充て、小沢氏と亀井静香氏を顧問とする内容。総会は約2時間半にわたって行われた。小沢氏は欠席した。
嘉田氏は総会後、記者団に対し、自身の人事案が承認されなかった理由について「みなさんに聞いてください」とだけ述べた。
森裕子副代表らによると、出席者からは「嘉田氏が事前にマスコミの前で人事案をしゃべった」「政治力のある人が必要だ」という発言が出た。森氏は記者団に「人事刷新の観点が抜けている」と嘉田氏の人事案を批判した。
一方、小沢氏を共同代表にする案について、嘉田氏は「小沢氏と党を立ち上げるときからの約束だ」として要職に起用しない方針を堅持する考えを示し、「自分の提案したことに従わないのは認めない」と反発したという。
嘉田氏は特別国会召集の26日に行われる首相指名選挙で阿部氏を投票することも求めていたが、小沢氏系の激しい抵抗は収まる様子はなく、嘉田、飯田両氏と小沢氏系との溝は決定的なものとなっている。(産経)>
杜父魚文庫
11302 未来の党:嘉田・小沢両氏が主導権争い 古澤襄

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