桁外れ、1000億ドルをアフリカに投資した中国の横暴。しかし欧米も日本もアフリカに本格的な投資をしないジャン。
ガーナを例に取ると、12月7日と8日に行われた大統領選挙は現職のマハマ辛勝に終わり、反対党(ガーナ新愛国党、ナナ・アクホ・アド党首)は不正投票を裁判所に訴え出たが、結論が出る頃には次の選挙だろう。
このガーナに積極的に進出し、インフラ建設に従事しているのは、いわずと知れた中国である。
米国は高速道路建設を約束し、そのハイウェイは「ジョージ・ブッシュ道路」と名付けられた。しかし実際の工事をしたのは中国企業で、しかも中国から大量の労働者を運んできたが、それらが囚人であったとする噂がたった。
首都のアクラに国防省ビルを建設しているのは中国である。ガーナの巨大ダム建設は「中国水利公司」が建設中、投資資金はあらかたが中国からの融資である。
ガーナの新国際航空を建設しているのも中国だが、ガーナの新航空会社「ニュー・ガーナエアライン」に投資しているのも中国ときているから、ガーナ経済は「中国様」で成り立っていると言える。
以下同様なことがアンゴラ、スーダン、ザンビア、コンゴ、タンザニア、ジンバブエに顕著であり、要は西側が重労働をともなうプロジェクトは資金投資のみ請け負って、実際の工事は下請け、あるいは国際プロジェクトにゆだねる。
となれば人件費が安い中国企業が落札するのは火を見るより明らかであり、アフリカ諸国に蔓延する不満は「現地労働者を雇わず、中国から労働者を連れてくるのだった」。
世界銀行の統計によれば、中国が2001年から2003年までにアフリカ諸国に投資した額は年間10億ドル以下だった。それが04-05年には年間15億ドルに拡大し、2006年には200億ドルへと膨らんだ。
2010年から2012年にかけての僅か二年間で中国がアフリカ全体に投資したのは1010億ドルに達した。
ヒラリー・クリントン米国務長官は、この実態をみて「新植民地主義」だと非難したが、米国のアフリカ投資は増えもせず、ナイジェリアから、南アから欧米企業はむしろ撤退した。
そして2013年3月、欧米の肩代わりをさせられるかのように、東京で日本アフリカ会議が開催されることとなった。
杜父魚文庫
11304 ガーナ経済は「中国様」で成り立っている 宮崎正弘

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