民主党は25日午後2時から東京都内のホテルで両院議員総会を開き、衆参国会議員145人(衆院57人、参院88人)の投票で新代表を選出する。海江田万里元経済産業相(63)が馬淵澄夫元国土交通相(52)を押さえて新代表に選ばれるのは確実な情勢となった。
新代表の任期は2015年9月末までだが、来夏の参院選で参院第一党の座を失えば、退陣を余儀なくされよう。その意味では半年余りの”ショート・リリーフ代表”ともいえる。
<民主党代表選で、海江田万里元経済産業相が優位な情勢となっているのは、選挙戦が野田佳彦首相に近い主流派対非主流派の構図になったことが影響している。海江田氏には経産相時代に答弁で涙を流すなど党首としての資質を疑問視する声は党内にもある。しかし、馬淵澄夫政調会長代理を支持する蓮舫前行政刷新担当相ら主流派への反発は強く、主流派と距離を置いてきた海江田氏に支持が集まっている。
24日に海江田氏支持を表明した細野豪志政調会長は記者団に「海江田さんにはみんなで党を支える体制を作っていただきたい」と語った。海江田氏は代表選の訴えとして最初に「党内融和」を掲げ、23日には記者団に「みんなそれぞれ自分の働き場所で働いていただく」と強調した。
海江田氏は菅政権の経産相だが、鳩山グループ枠での入閣。11年8月の代表選では小沢一郎元代表のグループに擁立されて出馬し、決選投票で野田首相に敗れており、非主流派が結集しやすい立場だった。
一方、馬淵氏は野党時代に野田グループを離脱。11年代表選にも出馬しており、本来は野田グループなど主流派とは距離がある。しかし、今回の代表選では「代表候補不在」状態だった主流派に海江田氏の対抗馬として期待された。中堅・若手が大量落選した影響で、自力では20人の推薦人を集められる見通しが立たなかったため、主流派側の「みこし」に乗るしかなかったという側面もある。
だが、党内には野田グループの蓮舫氏や近藤洋介副経産相が馬淵氏側で動いていることへの抵抗感が強い。ベテラン参院議員は「野田首相を出したグループとして衆院選惨敗の責任をどう考えているのか」と憤る。
非主流派には、岡田克也副総理や前原誠司国家戦略担当相ら主流派が政府と党の中枢ポストを独占してきた「たらい回し」人事への反感も強い。非主流派は小沢氏の離党後は求心力を失い、今年9月の代表選では野田首相への対抗馬が乱立して敗北した。しかし、今回は主流派の復活を阻止するという目的で非主流派が結束している。(毎日)>
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11305 民主党 海江田万里新代表の選出へ 古澤襄

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