11369 円安・ウォン高の環境変化は韓国にマイナス  古澤襄

日本の通貨は、民主党政権下で世界で最弱の通貨となった。昨年1月の円相場は1ドル=76円台後半の歴史的な円高水準で取り引きを始めている。円が高くなれば日本の輸出は制約を受ける。
一方、韓国の通貨ウォンは、円とは逆にウォン安路線に支えられ輸出が好調なまま推移している。もっとも日韓貿易は韓国側の慢性的な赤字から脱していない。
民主党政権が崩壊し、安倍政権が誕生して日本の円は円安に振れ、円相場は1ドル=86円79銭まで値下がりし、およそ2年5か月ぶりの円安ドル高水準となった。ところが韓国はウォン高の兆しがみえる。韓国の国際的な競争力を支えてきたウォン安路線が修正されようとしている。
日韓関係は竹島問題、従軍慰安婦問題と政治的な側面だけで論じられる傾向が強いが、円とウォンという経済的な側面から考察する必要がある。日韓の政治的な対立だけが強調されるのは、韓国経済にとって好ましいことではない。
朴槿恵政権にとって喫緊の課題は、日本の右傾化批判ではなく、韓国経済の建て直しと雇用の拡大である筈だ。だが韓国メデイアは相変わらず”反日”路線の域にとどまっている。
すぐにというわけには参らないが、円安・ウォン高の環境変化は日本の自動車業界や電機業界にとってプラスになるだろう。韓国が反日・日本叩きに精を出すことは、日本経済の復活を助けていることになりかねない。
杜父魚文庫

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