11378 元軍曹さんが米国防長官?  古澤襄

新春のイスラエル・ニュース「パネッタ米国防長官の後任候補に、共和党のヘーゲル元上院議員。イスラエルに対して友好的ではないと見られている。(H)」とあった。
ワシントン時事によると、オバマ米大統領は30日に放映されたNBCテレビのインタビューで、次期国防長官の有力候補と目されているヘーゲル元上院議員について、「愛国者であり、上院でも卓越した業績を残した」と高く評価したと報じている。
オバマ大統領が共和党のヘーゲル元上院議員と個人的に親しいのは知られているが、共和党内にはヘーゲル氏は国防長官として不適切との声が上がっている。イスラエルと敵対するイランとの対話を唱え、イスラエルをないがしろにしていると、ヘーゲル氏に対する批判が強い。
すでにオバマ氏はクリントン国務長官の後任に”米朝直接対話”の提唱者であるジョン・ケリー国務長官を登用を決定している。国防長官の後任に”イランとの対話”を唱えるヘーゲル元上院議員を起用すれば、国務・国防両長官が対話主義者で固められる。
チャールズ・ティモシー・“チャック”・ヘーゲル(Charles Timothy “Chuck” Hagel、1946年10月4日 – )の横顔をウイキペデイアは次のように伝えている。
①1996年に初当選し、以降2期12年にわたって連邦上院議員(ネブラスカ州選出)を務めた。2008年の上院選には出馬せず引退し、現在ではシンクタンク・大西洋評議会(アトランティック・カウンシル)の議長や合衆国大統領の諮問機関である大統領情報諮問委員会の共同議長を務めている。。
②ネブラスカ州立大在学中の1967年から1968年にかけては、兵役により陸軍に入隊し、ベトナム戦争下のベトナムに従軍している。ベトナムでは第9歩兵師団隷下の第47歩兵連隊に配属され、歩兵分隊の分隊長を務めた。1968年に軍曹の階級で名誉除隊。
③復員後は、バーテンダーやラジオのニュース・キャスターとして働きつつ、復員軍人の社会復帰を支援する復員軍人援護法による援助を受けながら大学に通ったという経歴を持つ。
下士官の経歴しかないヘーゲル元上院議員が国防長官の候補というのは、いかにもアメリカらしい。もっともナチス・ドイツのヒトラーもドイツ国防軍の伍長さんだった。職業軍人のドイツ国防軍の将星たちが、みずから作戦の天才と称して国家の滅亡を招いたヒトラーを忌避した歴史がある。
杜父魚文庫

コメント

タイトルとURLをコピーしました