11452 米国初の黒人大統領オバマ氏、「白人男性布陣」で逆風  古澤襄

人それぞれだから、私の好みを他人に押しつけるつもりはない。
だが最近の海外ニュースで<米国初の黒人大統領として2期目を迎えるオバマ大統領が、重要閣僚級ポストに立て続けに白人男性を指名したことから、身内である民主党内の一部から批判にさらされている>とロイターが報じたのは面白い。
それだけ米国内の黒人とヒスパニックの影響力が強くなっている証左ではないか。少数のユダヤ系アメリカ人が米国の政財界やメデイアを牛耳る時代が遠のいている。
保守的といわれるブッシュ政権下でも黒人の国務長官が二人誕生した。それなのにオバマ大統領は、二期目に国務、国防、財務の三長官を白人男性陣で固め、あまつさえCIA長官も白人男性。
一方でヒスパニック女性初の閣僚だったヒルダ・ソリス労働長官は9日に退任を発表。黒人女性のリサ・ジャクソン環境保護局(EPA)長官も昨年12月に辞意を表明している・・・とロイターは伝えている。
オバマ再選は、黒人とヒスパニックからの圧倒的な支持を集めて成し遂げている。日本なら論功行賞で黒人やヒスパニックからの抜擢人事となるだろうが、二期目のオバマ大統領はそうはならなかった。
ニューヨーク州選出の民主党・黒人長老議員のチャールズ・ランゲル氏が、オバマ人事は「極めて見苦しい」と不快感を表明しているが、足下から批判が生じている。
<[ワシントン 10日 ロイター]米国初の黒人大統領として2期目を迎えるオバマ大統領が、重要閣僚級ポストに立て続けに白人男性を指名したことから、身内である民主党内の一部から批判にさらされている。
オバマ大統領は10日、ガイトナー財務長官の後任として、ジャック・ルー大統領首席補佐官を指名すると発表。2期目のオバマ政権を支える重要ポストには、白人男性4人が相次いで指名された。
オマバ大統領はすでに、ヒラリー・クリントン国務長官の後任にはジョン・ケリー上院議員を、次期国防長官にはチャック・ヘーゲル元上院議員を、次期中央情報局(CIA)長官にはジョン・ブレナン大統領補佐官をそれぞれ指名している。
一方、ヒスパニック女性初の閣僚だったヒルダ・ソリス労働長官は9日に退任を発表。黒人女性のリサ・ジャクソン環境保護局(EPA)長官も昨年12月に辞意を表明している。
こうした動きについて、黒人長老議員のチャールズ・ランゲル氏(民主党、ニューヨーク州選出)は「極めて見苦しい」と不快感を表明。ジーン・シャヒーン上院議員(民主党、ニューハンプシャー州選出)は「残念だ」とし、「我々には米国を映すような政府が必要であり、そうであればこそ、さまざまな層から聞こえる問題にも対処できる」と語った。
先の大統領選でロイターとイプソスが実施した出口調査では、投票日時点の女性からの支持率は、オバマ大統領が55%と、共和党ロムニー候補の同43%を上回っていた。またオバマ大統領は、黒人とヒスパニックからも圧倒的な支持を集めていた。(ロイター)
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