アルジェリアでの日本人を含む外国人拘束事件は、イスラム過激派武装勢力掃討のため、アフリカ西部マリに軍事介入したフランス軍に対する報復という見方が浮上している。
マリの武装勢力は「フランスは地獄への扉を開けた」としており、仏への報復の動きが強まる可能性がある。
<【ベルリン=宮下日出男】アフリカ西部マリに軍事介入したフランス軍は16日、イスラム過激派武装勢力掃討のため、地上作戦に着手した。一部都市では仏軍地上部隊が武装勢力と交戦を始めたもようだ。従来は空爆による支援が中心だったが、武装勢力の強い反攻を受け、地上からの攻撃に踏み切った。
仏による軍事介入とアルジェリアでの日本人を含む外国人拘束事件との関連も指摘されており、国際社会は過激派による報復という脅威にもさらされている。
フランス通信(AFP)は16日、中部ディアバリで仏軍地上部隊とマリ国軍が武装勢力と交戦に入ったと報じた。15日には首都バマコから仏軍武装車両約30台が北方に向かって出発したとされる。地上作戦の目的は、武装勢力が14日に占拠したディアバリの奪回のほか、中部の要衝コナに残存する武装勢力の掃討などにあるとみられる。
仏軍は11日の軍事介入開始後、過激派が制圧する北部の拠点都市へ空爆範囲を拡大。コナを奪還し、首都バマコのある南部への攻勢をおおむね食い止めていた。
だが、バマコに近いディアバリには西隣のモーリタニア方面から仏軍の裏をかくように武装勢力が侵入。コナも制圧しきれていないことが判明した。北部のある街では空爆前に武装勢力が退避していたとの情報もあり、作戦の困難さが浮き彫りになりつつある
マリ北部では2011年から、トゥアレグ族による「アザワド地方解放国民運動」(MNLA)が活動を開始。12年3月に国軍の一部が南部にある首都バマコで起こしたクーデターの混乱に乗じて、4月に北部の独立を宣言した。しかし独立は国際的な承認を得られなかった。
その後、MNLAとの戦闘に勝利したイスラム武装勢力が北部の支配権を握り、マリ国軍との戦闘を継続。マリ政府からの要請を受けた国連安全保障理事会は昨年12月、軍事介入を認める決議案を採択。今月に入って仏軍がマリ政府を支援するかたちでイスラム武装勢力との戦闘を始めている。
マリの武装勢力は「フランスは地獄への扉を開けた」としており、仏への報復の動きが強まる可能性がある。(産経)>
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