七月の参院選を前にして、日本維新の会とみんなの党が、”合流”か”協力”か、で意見が分かれている。
維新の橋下徹大阪市長は19日、みんなの党とは同じ党になる”合流”を目指すと明言した。自民・公明両党の与党勢力に対抗するためには、衆院選と同じように野党がバラバラで乱立するようでは勝ち目が薄い。維新とみんなが合流してひとつの党となって100人以上の候補者を擁立する橋下提案が戦術上、正論であるのは間違いない。
しかし、みんなの党の渡辺喜美代表は19日、合流を否定し、政策が一致する範囲で両党が協力する立場を鮮明にした。みんなの党は三年前の参院選で公認候補を立てて一定の議席を得ている。昨年の衆院選の直前にバタバタと大阪維新と石原太陽が合併した日本維新の会とは違うという自負があるのであろう。事実、市町村議レベルでみんなの党は一定の勢力を持っている。
両党が各選挙区で候補者の一本化をする選挙協力は話し合いで推進するが、合流によってみんなの党が埋没してしまうことには抵抗感がある。とくに比例区で維新とみんなが得票を競い合う方が、相乗効果があると渡辺代表はみているのではないか。
結局は、共倒れの危険性がある一人区で、両党の選挙協力を話し合う範囲にとどまる”協力”になる可能性が高い。
<日本維新の会の共同代表に就任する橋下徹大阪市長は19日、みんなの党との合流を視野に連携協議を進めたいとの考えを表明した。
都内で記者団に対し、夏の参院選に向けた野党共闘について「同じ方向性の野党が複数存在するのは得策でない。100人以上の規模で野党がまとまらないと自公政権のチェック機能は果たせない」と語り、「みんなの党と同じ党になることか」との質問に「そうです」と明言した。
維新は参院選の目標として「自公両党の過半数阻止」を掲げており、前哨戦となる東京都議選を含め、みんなの党との選挙協力を目指している。松井一郎幹事長(大阪府知事)もこの日、「(みんなの党と)一体となれるよう協議し、全国規模で候補者を擁立したい」と記者団に強調した。
しかし、みんなの党の渡辺喜美代表は同日夜、都内で記者団に対し「合流することはない」と合流を否定した上で、「政策が一致する範囲で協力することはあるが、一緒になるには溝が大きい」と語った。
これに先立ち、日本維新の会は拡大執行役員会を都内のホテルで開き、石原慎太郎代表と橋下氏を共同代表とすることを了承した。3月に大阪市内で結党大会を開き、それまでに全都道府県に支部をつくり地方選挙に候補者を積極的に擁立する方針も確認した。
石原氏は役員会で「夏の参院選は政治を根本的に変えるきっかけになる」と指摘し、「平成の牛若丸・橋下氏と意気投合してやってきたが、このエネルギーを倍増させ、夏までに画期的な効果を出したい」と語った。(産経)>
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