七月参院選に臨む自民党は22日、党本部で全国幹事長会議を開いたが、石破幹事長は「自民党単独で54議席以上は確保したい」と手堅い目標を示した。
自民党の目標は公明党と合わせて64議席以上の確保・過半数の奪還にある。全国で16ある改選2以上の複数区については、東京選挙区(改選5)以外の複数擁立に、石破執行部は慎重な立場をとっている。日本維新の会の動向など不透明な要素が多く、強引に候補者を立てれば共倒れの危険があるからだ。
石破執行部は「衆院選の比例票は伸びておらず、参院選は堅実路線に徹した方がいい」と強調。各選挙区で確実に1議席を得る「安全運転」に徹しようとしている。
<自民党は22日、党本部で全国幹事長会議を開き、執行部が各都道府県連に対し、夏の参院選の候補者選定を急ぐよう指示した。衆院選圧勝の余韻が残る中、執行部は参院選の勝利を確実にするため改選2以上の複数区では原則、候補を1人に絞る方向で調整。「堅実路線」で衆参勢力のねじれ解消を最優先する構えだ。(水内茂幸)
「自民党としてやるべき大きな政策、理念を実現する上でも、参院選は絶対に勝たなければならない」
安倍晋三首相(党総裁)は幹事長会議で、出席者に奮起を促した。
改選121の参院選で、同党の公認候補は選挙区25人、比例代表19人の計44人にとどまる。31ある1人区は14人しか決まっていない。ただ、各地で公募などの作業は進んでおり、石破茂幹事長は22日の記者会見で「メドが全く立たない県はない」と強調。会議前には、石破氏ら幹部が候補者未定の12道府県連の幹部と面談し、2月中に作業を終えるよう念を押した。
自民党の目標は公明党と合わせて過半数の奪還にある。両党で64議席以上の確保が必要で、石破氏は「自民党単独で54議席以上は確保したい」としている。
悩ましいのは全国で16ある改選2以上の複数区だ。衆院選圧勝で勢いづく複数の県から「複数擁立したい」との打診があったが、執行部は東京選挙区(改選5)以外の複数擁立に慎重。日本維新の会の動向など不透明な要素が多く、強引に候補者を立てれば共倒れの危険があるからだ。
愛知県連会長の藤川政人参院議員は22日、石破氏らとの個別面談で愛知選挙区(改選3)について「確実に1議席を確保したい」と主張。石破氏も「それでいい」と認めた。
執行部の脳裏に浮かぶのは「民主党の失敗」だ。同党は平成22年参院選で複数区に複数候補を擁立したが、政権交代した21年衆院選の勢いはすでになく、複数当選は東京と愛知だけだった。自民党幹部は「衆院選の比例票は伸びておらず、参院選は堅実路線に徹した方がいい」と強調。各選挙区で確実に1議席を得る「安全運転」に徹する。(産経)
杜父魚文庫
11537 自民、参院選は堅実路線 複数区は原則1人 古澤襄

コメント