いやはや物事は流動的であること、当然とはいえ、実感しました。断定とか思い込みは危険です。
自分の意見をしっかりとして持つことは大切であるけれども、その意見の対象となる事実や現実は変わることもしっかりと認識しておかねばなりません。
そんなことを痛感させられた朝でした。(ちょっと過剰な反応かもしれません)朝日新聞が安倍晋三首相の演説を礼賛する記事を載せたのです。
1月24日朝刊の社説面、社説のすぐ下のコラムにびっくり仰天の記事が出たのです。脇阪紀行論説委員が安倍首相でのインドネシアでの演説案の内容をほめちぎったのです。素直な礼賛といえましょう。
ただしこの演説は実際には語られませんでした。安倍首相がアルジェリアでのテロ事件への対応でインドネシア滞在の予定を変えたためでした。
だから「幻の安倍演説」となったのです。まあとにかくその脇阪記者のコラムの一部と、安倍演説の全文とを紹介します。ちなみに私の感想は脇阪記者のそれとほぼ同じです。
このコラムも私はすばらしい内容だと思いました。
演説の全文を首相官邸のサイトで読んで、私もごく素直に感動しました。
でも朝日新聞はどうしたのか。安倍氏を政治的に倒すことが「社是」だと、前主筆が豪語していた朝日新聞、こんな安倍礼賛の記事を載せていいのか。それだけ懐が深いということなのか。読み方はいろいろあるでしょう。でも脇阪記者への同じ記者からの尊敬の念は率直に明記しておきたいです。
<(社説余滴)「幻の安倍演説」を読む 脇阪紀行>
首相演説としては異色といえるだろう。安倍首相が、東南アジア歴訪時に予定していた政策演説である。アルジェリア人質事件への対応で急きょ帰国となり、ジャカルタでの演説が流れてしまった。残念でならない。
首相官邸サイトで「幻の安倍演説」に目を通した。
思わず引き込まれたのは、インドネシアの若者らが作った歌「桜よ」の一節を、首相がインドネシア語で紹介する(はずだった)場面だ。
東日本大震災に見舞われた日本の人々を励まそうと、一昨年5月、日本語を学ぶ現地の学生500人が、この歌を日本語で合唱したのだという。演説の結びは「テリマカシ(ありがとう)」。日本国民の感謝の気持ちを、肉声で伝えてほしかった。(以上、本日付朝日新聞朝刊記事『社説余滴、 幻の「安倍演説」を読む』から抜粋)
全文は首相官邸ホームページ(http://www.kantei.go.jp/)に掲載されている。1月18日付記者会見をクリックすれば、「開かれた、海の恵み ―日本外交の新たな5原則―」として掲載されている。
「18日にジャカルタで行う予定であったが、、安倍総理がアルジェリアでの邦人拘束事案について直接指揮をとるため、予定を早めて帰国することになったことより、行われなかったもの」として、幻の安倍演説が掲載されている。(つづく)
杜父魚文庫
11548 安倍演説に朝日新聞記者が感嘆した! 古森義久

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